柔軟性、高速性を兼ね備えたActianのデータベース製品
Q:Actianのデータベース・ソリューションの特長を教えてください。
ソウザ氏:Actianは、長い間データを扱う技術だけに注力してきた企業です。今ではエンタープライズ領域で、企業がOLTPとOLAPをハイブリッドに活用できるようにしています。そのためのデータベースには、コアのデータマネジメント機能、柔軟性、高速性という3つの重要な要素があります。
世の中では今、自動運転など新しい技術で興味深いものが登場しています。金融や医療分野でも新しいことがどんどん起きています。それらの実現で共通しいるのが、大規模なデータの分析です。金融取り引きの不正検知や自動運転車が歩行者にぶつからないようにするのにも、さまざまなデータを高速に分析する必要があります。情報量は増えており、やり取りする対象も増えている。その上でリアルタイム、あるいはニアリアルタイムの処理スピードが求められます。
またデジタルな情報を使ってマネタイズすることを、デジタル変革と呼んでいます。これは、情報の有効活用のことでもあります。情報の有効活用におけるこれまでの課題は、オンプレミスのサーバーの中でOracleやTeradataなどのデータベースを使い大量データを処理すると大きなコストがかかていたことです。データが増えユーザー数が増えその上で高速性を求めると、専用ハードウェアが必要となり高コストとなるのです。Actianはコモディティ化したハードウェアを使うことができ、オンプレミスでもクラウドでも安価に高速な処理ができます。
もう1つのActianの特長が柔軟性です。変化がはやい環境では、アプリケーションも迅速に変更できなければなりません。Actianは変化に追随する柔軟性があります。加えて、どのような環境でも使える柔軟性もあります。従来は一旦データを集め、集められたデータに対しアプリケーションを構築してきました。もちろんそういったデータの使い方もありますが、今では演算能力をデータのほうに持っていくニーズが出ています。これは、データを動かすのには手間とコストがかかるからです。
データの近くで処理する柔軟性もActianの特長です。IoTなどの登場でエッジでデータが生成され、それらをなるべくエッジ側で処理したい。ここには1つの課題があります。エッジではiOSやAndroid、あるいは独自のOSが動いており、それらの上で小さなフットプリントで動く必要があるのです。これにもActianは対応しています。
Q:日本のデータベースを取り巻く市場をどのように捉えていますか?
ソウザ氏:米国、ヨーロッパの市場と日本の市場は似ていると思います。もちろんアフリカの市場とは少し異なりますが、日本とアフリカの差ほど米国市場とは違いません。日本市場の1つの問題は、日本企業は関係性を築いたベンダーやSI会社に依存する傾向が強いことです。たとえばIBMを選んだ情報システム担当者は、解雇されないという話があります。その会社にとってIBM製品が最適ではなくとも、IBMさえ選んでおけば間違いないと考えてしまうのです。
とはいえ最近では、それも変化しています。Amazon Web Services(AWS)のような新しいテクノロジー提供するところが出てきて、そういった会社のソリューションも企業が受け入れています。このあたりはグローバルな動向と同じで、日本でも新しいテクノロジーを受け入れイノベーティブな検討を始める企業が増えています。