全てが揃ったクラウドで顧客に最大限の選択肢を
今回のイベントの登録者は、7,000名を越え、盛り上がりは見せていたが、前週に開催された「Google Cloud Next '19 Tokyo」には1万9,000名の登録があったことを考えると、前を走る3社のクラウドベンダーとの差はまだまだ大きいものがあるようだ。
Oracleでは日本市場への継続的な投資を行って、この差を一気に縮めたいと考えているだろう。既に年内に日本で2つ目となる「大阪リージョン」を開設することも明らかにしている。
「先行するAmazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどの競合他社とも、環境的にはイーブンになった」と語るのは、日本オラクル 執行役社長 最高経営責任者のフランク・オーバーマイヤー氏。
「顧客が日本にデータセンターがあることを望んでいました。それとハイブリッドクラウドも欲しがっています。さらにプライベートクラウドも必要としています。これら顧客の要望に対し、Oracleは最大限の選択肢を提供します。その上でOracle CloudにはIaaSからPaaS、SaaSそしてその上にはData as a Serviceまであります。全てが揃っていることが、Oracle Cloudの他社に対する優位性です」(オーバーマイヤー氏)
全てを網羅する選択肢を顧客に与える。それを支えているのが、彼らが「Gen2」と呼ぶアーキテクチャを刷新した第二世代のクラウドインフラがあること。そしてサービスの核となるAutonomous Databaseも重要だった。Autonomous Databaseは、最高レベルのセキュリティを備え、最高レベルのパフォーマンスを提供するのに必要だった。これでOracle Cloudの全体像が完結するというわけだ。
Oracle テクノロジーライセンス & システムズ ビジネスデベロップメント シニア・バイスプレジデントのアンドリュー・サザーランド氏は、Oracle Cloudのプラットフォームの他社に対する優位性について、建物の基礎を想像してみて欲しいと言う。第一世代のクラウドでは大きな建物を建築するには、基礎がしっかりしていなかった。Oracleはそんなクラウドの基盤を見て満足できず、全く新しく設計することにした。基盤をセキュアにし、フラットなアーキテクチャでパフォーマンスも向上させ、可用性も高めたとサザーランド氏。
この基盤があるから、大きな建物である基幹系システムのSaaSも、Ge2クラウドインフラで安心して動かすことができる。東京リージョンはこの新しいGe2クラウドインフラで構成されており、Oracle ERP CloudをはじめとするSaaSのアプリケーションもここから提供されることが明らかにされた。「Oracleクラウドへの取り組みが遅いのではとも言われたが、それは基礎部分からしっかりと作り変えたからなのです」とオーバーマイヤー氏。
もう1つOracle Cloudがユニークな点として挙げたのが、Data as a Serviceがあること。通常、企業は自社が収集したデータをデジタルトランスフォーメーションに活用する。OracleのData as a Serviceを活用すれば、自社のデータに外部のデータを組み合わせて活用できる。
「これで素晴らしいインテリジェンスが得られます。Data as a Serviceはどんどん発展しています。これを使って企業のデータプールを1つにします。この環境を自社で構築しても良いし、さらにパートナーと組んで広げても良いのです」(オーバーマイヤー氏)