日商エレクトロニクス:オンプレミスとクラウド、双方の知見から最適な選択肢を
── VDIを検討されるのはどういった課題・きっかけからが多いと捉えていますか。
大きなトピックとしては、やはり働き方改革のためにVDIを選択するニーズが高まっていると感じます。もちろん、以前も導入している企業はありましたが、その時のニーズは出張者や出向者向けが多かった印象です。
実際に利用する中で、業務で問題なく使えるよねという意識に変化し、さらにワークスタイル変革が後押しになってきていると思います。特にお客様の声として多いのはセキュリティと運用負荷の部分ですね。情報漏洩の防止、管理負荷の軽減といった声が多いです。
── Azureを利用したVDIの導入メリットをどう捉えていますか。
弊社はオンプレミスでのVDIも数多く手掛けてきましたが、クラウドでのメリットは、小規模からスタートできる点がまず挙げられます。オンプレミスですと、数百の規模からスタートしないといけなかったり、機材の調達手間はもちろんリードタイムも長いです。そうなると最初のモチベーションが下がってしまいます。
一方、クラウドであれば、小規模かつ環境をすぐに構築することができます。たとえばある課で構築してみたいといったニーズに応えることができ、さらに増やしたいようであればそれにも対応できるので、柔軟な対応が可能となります。
── 御社ではどのようなアプローチで課題解決を図っていますか。Azureを利用したVDIの活用事例もあれば教えてください。
弊社のお客様は、金融系、鉄道系、流通系など業種は幅広く、比較的規模も大きめのお客様が多いです。ただ業種が変わっても抱えている課題はほぼ共通だと感じます。
既に発表していますが、VMware Horizon Cloud on Microsfot Azure(以下、Horizon Cloud on Azure)では国内初の構築公開事例として、ニトリ様の事例があります。既にオンプレミスでVDIの運用をされていましたが、クラウドを活用したVDIは国内企業でも初めてのチャレンジでした。
導入にあたっては、まずニトリ様の既存環境や課題の理解から始まり、不安要素に対してはデモや検証を行いました。そこで、実際に検証を行って頂き、ログインや認証基盤との連携など、不安を感じられていた点を一つずつ払拭するご支援からさせて頂きました。
結果的に、運用管理負荷の30%軽減に成功。利用者増減にも柔軟に対応し、セキュリティレベルの向上も実現しております(事例詳細)。その他にも、金融サービスの企業でも導入事例があり、このお客様は当初は一部のチームだけでの導入でしたが、その後ご要望を頂きご利用者数を拡大しました。
── 今後の展望について教えてください。
技術部隊の観点から申し上げますと、早い段階から情報をキャッチアップして常に進化するクラウドサービスの現状を正しく把握し、最適なものをお客様へ提案できる力を、これまで以上に身につけていきたいと考えております。昨今話題のWVDに関連する情報も、正式リリースされる前から実際に検証を行いキャッチアップしてきました。
弊社ではAzureに関連するサービスサイトを運営しており、その中にある技術ブログは頻繁に更新していますが、 WVDの情報はもちろん、海外カンファレンスやイベントのレポートなどの情報発信もしています。こういった取り組みを続けることで、お客様の役に立つような情報をどこよりも早くお届けし、現在直面している課題解決のヒントになれば良いかなと思っています。実際にブログの人ですよねといった声をかけられるなどの反響を頂いたり、問い合わせを頂くことも多くございます。
私たちの強みの一つとして、オンプレミスのVDIに多くの経験・実績があります。クラウドで新規構築のニーズも当然ありますが、現実的にはオンプレミスからの移行を選択する企業が多いです。オンプレミスのVDIだとこういう考え方だが、クラウドのVDIであればこうした方がいいという視点は、両方の経験を持ち合わせているからこその視点です。お客様に寄り添い双方の視点からの付加価値の高い提案で、様々なニーズに応えていきたいと考えています。