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DX時代のデータ保護に必要な次世代バックアップ5つの要件

 前回の「バックアップ入門概説」ではバックアップの現状や課題、次世代型バックアップの方向性について紹介しました。今回はDX時代で求められるデータ保護の「あるべき姿」について、企業インフラに求められる具体的な要件を踏まえて考察します。

なぜ、データ保護が今注目されているのか?

 多くの企業が自社のシステム基盤をクラウドにシフトする「クラウドファースト」の時代において、オンプレミス環境でのみ用いられてきた、バックアップ・リストアの機能に限定された従来型のデータ保護の仕組みでは対応が困難な状況です。あらゆる環境・要件に包括的かつ柔軟に対応可能なデータ保護のプラットフォームと機能が求められています(図1)。

図1:デジタルトランスフォーメーション時代におけるデータ保護を取り巻く環境/ルーブリック・ジャパン作成(以下同)
図1:デジタルトランスフォーメーション時代におけるデータ保護を取り巻く環境
ルーブリック・ジャパン作成(クリックすると拡大、以下同)

 これらの内的要件、外的要件に対応するためには、シンプルかつフレキシブルで拡張性の高いデータ保護のプラットフォームが必要となります。ここから具体的に求められる、機能の「あるべき姿」について解説していきましょう。

今後求められる運用その1:一元管理

 日々、肥大化・複雑化するインフラを、限られたリソースとコストでいかに効率的に運用していくか? 多くの企業で以前から課題となっています。

 課題となっている背景は、システムを構築する際にデータ保護の仕組みも都度検討・導入される場合が多く、そのためシステムごとにサイロ化されたデータ保護環境が存在してしまうからです。

 この場合システムごとにデータ保護のツールはもちろん、システム管理者も異なっている場合が多く、結果的にデータ保護運用が属人化され、効率性が失われます(図2の左側)。

 今後求められる運用としては、統合型のデータ保護ツールによる一元管理が推奨されます。具体的なメリットは、以下の通りです(図2の右側)。

  • ツールの操作が統一化されることにより、運用管理がシンプルとなり属人化の問題が解消される
  • 単一の管理ポイントのまま、シームレスな拡張が可能となる
  • 保護データの保管場所が集約されるため、重複排除・圧縮効率が最大化される
  • システム間のデータ連携も容易に実現可能となる(例:システムAのバックアップデータをシステムDにリストア、等)
図2:データ保護のあるべき姿─シンプルな運用管理/ルーブリック・ジャパン作成
図2:データ保護のあるべき姿─シンプルな運用管理
ルーブリック・ジャパン作成

次のページ
今後求められる運用その2:自動化

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この記事の著者

神近 孝之(カミチカ タカユキ)

ルーブリック・ジャパン株式会社 SEリード業務アプリケーション開発から大手業務パッケージ製品のコンサルタント経験を経て、直近の15年はインフラ系SE(ストレージ、バックアップ)として活動。2016年12月からルーブリック・ジャパン株式会社にてプリセールスを担当し、次世代型データ管理の啓蒙及び提案活動...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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