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Teams導入を支援するアバナード、ビジョンは「エラスティックなワークプレース」をつくること

  2020/04/06 07:00

 マイクロソフトとアクセンチュアの合弁で生まれたアバナードは、マイクロソフトの技術を活用しアクセンチュアのノウハウで顧客にコンサルティングやSIのサービスを提供している。利用するのは、マイクロソフトの技術だけではない。デジタルマーケティング領域ならアドビの製品を、業務効率化のツールなら各種RPAツールなども適宜組みあわせエコシステムで対応する。そんなアバナードでは、企業に置ける働き方の改革やより良いワークプレイス構築をサポートする機会も多い。

行動を変えるシナリオづくりからアプローチする

 Microsoft 365などを活用し、従業員の生産性を向上して働きやすいワークプレースを実現する。ワークプレース変革も、企業が取り組むべきデジタル変革の1つだ。テレワーク環境を整備するのも、多様な働き方をサポートするワークプレース変革の1つだろう。

 今は新型コロナウィルス対策もあり、急ぎMicrosoft Teams(以下、Teams)を導入してテレワーク環境を整備する企業が増えている印象がある。しかしアバナードへの依頼は、新規導入よりも「グローバルを含め既に進めているプロジェクトのスケジュールを早めて欲しいとの要望が増えています。あるいは既に導入している製品の利用をさらに促進したいので、トレーニング・スケジュールを早めたいとの声もあります」と言うのは、アバナード Modern Workplace Value Realization オファリングリードの庄 昌子氏だ。

アバナード Modern Workplace Value Realization オファリングリード 庄 昌子氏

アバナード Modern Workplace Value Realization オファリングリード 庄 昌子氏

 他にも大企業などから、スマートフォンでOffice 365を活用できるようにしたいとの要望もある。グローバルレベルで活躍しているような企業では、テレワークやモバイル端末を活用する環境は、既にある程度用意されているところも多い。そういった企業では新規にテレワーク環境を整備したいのではなく、今ある環境を安全により使いこなせるようにしたいと考えているのだろう。

 また、全社規模でのテレワーク体制へ移行するにあたり、ネットワーク環境の見直しやオフィス外で重要情報を扱う際のルール変更のサポートをして欲しいとの声もあると、アバナード Modern Workplace Workplace Platform Modernizationオファリングリードの高木大樹氏は言う。

 既にテレワーク環境はあったので、これを機会に全社規模に対象を広げたら、予想していなかった課題が見えてくる。たとえば、全従業員へテレワーク対象を広げた結果、VPN経由のアクセスが増えネットワーク帯域がパンクするといったトラブルが発生する。新たに見えた課題の解決に、アバナードの力を借りたい。とはいえ技術面もからむ対応は、1週間といった短期間で実現できるとは限らないと高木氏は指摘する。

 Teamsを導入すれば情報共有が容易になり、チャットですぐにコミュニケーションをとることもできる。それらが可能になるだけでなく、業務のハブとなる仕組みとしてTeamsを活用することを考えるべきだ。オンライン会議が可能ではなく、情報共有や会議のあり方を変革する。そのためにTeamsやその他のアプリケーションをどう連携させる必要があるかを考える。最初に理想とする働き方のビジョンがあり、それに合わせツール活用の方向性が定まるのだ。そのためには「行動をどう変えるかのシナリオを作り、その実現をアバナードがサポートすることになります」と庄氏は言う。

ワークプレース改革は経営課題として捉える

アバナード Modern Workplace Workplace Platform Modernizationオファリングリード   高木大樹氏

アバナード Modern Workplace Workplace Platform Modernizationオファリングリード  高木大樹氏

 ワークプレースの改革のために、Teamsを活用しようとしている企業は多い。Teamsの機能は、どんどん追加されている。そのため導入時にトレーニングをすればそれで終わりとはならない。マニュアルを作成しても、すぐに旧くなり更新が追いつかなくなる。ITリテラシーがあまり高くないユーザーが多いと、Teamsの画面表示が少し変わっただけでもつまずき利用は広がらない。「導入したところが始まりで、アップデート情報を継続して伝える必要があります。進化している製品の良さをいかにして伝えるかも、IT部門には求められています。Teamsのようなものは、アップデートして改善し続けるツールだからこそ出てくる課題もあるのです」と庄氏は言う。

 マネージメント層の意識改革も必要だ。マネージメント層になると、会議などを自分で設定することは少ないだろう。そのためTeamsでどうやって会議を設定するのか、オンライン会議のためのルールをどう設定すればいいかなどを、マネージメント層は自分の問題として捉えていないことが多いのだ。「日本企業においてはテクノロジーの問題と言うよりも、ワークプレースの体験を良くすることを経営層がIT部門任せにしていることが問題です。企業におけるコミュニケーションのあり方は、IT部門だけの判断ではできません」と庄氏は指摘する。アバナードでは、Teamsの導入をITプロジェクトに終わらせずに、ワークプレースを変え企業におけるコミュニケーションのあり方を変革する提案を行う。それがマネージメント層にも届くようなアプローチをすることになる。

 日本企業におけるワークプレースの変革では、IT部門にも意識改革が必要だ。たとえば日本のレガシーな企業では、旧いツールを「国宝のように大事にして使い続ける傾向があります」と高木氏。さらにIT部門が業務現場のリアルなニーズを掴んで折らず、業務プロセスを見極めた上で最適なツールを選択することができない場合も多い。

 10年前に導入したツールが旧くなり乗り換える際も、「下手をすると10年前の要件のまま新しいツールを選定しようとします」と庄氏。その上で、新しいツールで使い勝手が変わるのは困るといった声すら聞こえる。このようにIT部門だけでは、新しいツールを活用した全社規模でワークプレース変革は難しい現情もあるのだ。

 素晴らしいワークプレースがあることは、企業がより良い人材を確保することにもつながる。チャットなどが簡単に利用でき、すぐに意思決定できる環境が整備されてるかどうかは、これから入社してくる若い世代には当たり前の環境だ。それがないことはむしろ遅れている職場と捉えられ、職場の評価、企業の評価は下がってしまうだろう。優秀な従業員を確保する面からも、より良いワークプレースの整備はまさに経営課題だと言える。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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