
2020年12月8日、企業のデータ活用の現状、そしてこれからの姿を明らかにする翔泳社のカンファレンスイベント「data tech 2020」がオンライン開催された。今回のテーマは「データドリブン・アップデート 真のデータドリブン経営の姿」。データ活用基盤およびデータマネージメントカテゴリーのセッションでは、クラウドデータ活用プラットフォームの提供で大きく注目されているSnowflakeが、「DATA CLOUD:Snowflakeが目指すデータコラボレーションプラットフォーム」と題し講演を行った。自社のデータをSnowflakeに格納することでデータドリブン経営につながるデータ活用ができるようになること、そして他組織ともデータ連携が実現できる画期的なアーキテクチャ「DATA CLOUD」について、その価値と事例について紹介した。
データは世界を映す鏡だが、データがばらばらだと上手く写せない
DATA CLOUDとは、組織を超えてデータコラボレーションすることであり、これができるようになると「年間で300兆円ほどの価値があるとも言われています」と言うのは、Snowflake シニアセールスエンジニアのKT氏だ。

社内にあるデータだけでは、真にデータドリブン経営を実現するには十分ではない。組織横断のデータが使えることで、より価値ある意思決定が迅速にできるようになる。
DATA CLOUDの詳細に触れる前に、世の中のデータ活用の現状が解説された。今、データは世界を映す鏡となっている。世界と言うのは、目の前にあり見えているものだけではない。何らかの情報を使い「間」を埋めていくことで、どんどん想像できる世界が拡がる。「データで目の前にないものも見えてくるのです」とKT氏。
今、COVID-19の様々な問題を解決しようと、人々が立ち向かっている。とはいえ多くの人の目の前に、感染して苦しんでいる人が存在するわけではない。データをもとに分析し、COVID-19の感染状況が世の中でどうなっているかを把握でき、そこから人々が対策に動き出すことになる。つまりデータを分析しCOVID-19の世界が見え、それによって新たな行動が起きるのだ。
COVID-19の世界を明らかにするために、世界中の様々な人がデータ分析のための地道な努力を続けている。しかしながらデータ分析には、大きな手間がかかっている。たとえば提供されるデータがPDF形式だったり、それがある日突然画像データになったりする。それらを分析できる形にして集めるには、大きな手間がかかるのだ。集めてきれいにするのに手間がかかれば、分析にはなかなか集中できない。
COVID-19の状況把握に限らず、データが分散しているとデータドリブンな意思決定にはつながらない。つまりデータは世界を映す鏡とはいえ、多くの場合データが上手く活用できておらず、「データ ≠ 世界」となっているとKT氏は指摘する。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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