コロナ禍の企業は俊敏性を重視するように
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業・組織が事業の方向転換を迫られた年でもあった。現在では、ニューノーマルに適応するため多くの企業がクラウドサービスを活用するなど、デジタル化はさらに加速している。
そのような状況を受けて、Nutanix APJ地域担当 フィールドCTO ジャスティン・ハースト氏は「2021年に向けて、新型コロナウイルス感染症の終息に若干の希望が見えてきた中で認識すべきことは、終息後も従来のやり方に戻ることはないということです。今年遂げた進歩は、これからも前向きに進んでいくと考えるべきでしょう」と展望を語る。
ワクチン開発による経済回復への期待も大きい一方で、その足並みはバラつきがあると同氏は予想している。実際に、アジア太平洋地域におけるITリーダーと呼ばれる役職に就いている人たちの多くが、大規模なIT支出に関してはいまだ及び腰だという。このような背景もあり、多くの企業がアメリカ・シリコンバレー流の考え方である「フェイルファスト」戦略を取るのではないかとジャスティン氏は考えを述べている。
つまり、これまでのように長期で慎重なリスク判断を踏まえてから大規模なIT投資を実行するのではなく、短期間で小さなリスクを取りながらも将来の方向を定めていくということだ。したがって、多くの企業においてIT部門を中心にサブスクリプション型のサービス、ハイブリッドクラウドへの移行が加速していくと予想されるという。
「物事が良い方向に進んだ場合、2022年には、2020年初頭レベルに戻っているでしょう」というビル・ゲイツ氏の言葉を踏まえ、ジャスティン氏は「今後数年間はビジネス、生活ともに従来のような状況に戻ることは難しいと考えている。だからこそ、フェイルファスト戦略のようなシリコンバレー流のマインドセットを採用しなければならない」と主張した。
また、新型コロナウイルス感染症によってデジタル化の波がすべての業界に押し寄せている中で、成功している企業はビジネスの意思決定において、CIOの役割が重要だという認識が強まっているという。これは日本においても同様で、2021年でもその傾向はますます強くなるとしている。