
DX推進の要として期待されているAIやデータの活用ですが、その効果が見い出せないと考えていたり、導入自体が難しかったりと活用自体に疑問を抱いている人も少なくないのではないでしょうか。そんな方はもちろん、現実となっていく「アフターデジタル世界」で企業成長を続けるためのAIやデータ活用法を知りたいという人にお薦めなのが、今回紹介する書籍『ダブルハーベスト 勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン』(尾原和啓、堀田創 著、ダイヤモンド社)です。
戦略デザインとしてのAIへ
第一次人工知能ブーム、第二次人工知能ブームを経て、今まさに第三次人工知能ブームの延長線上にいるとされている中で、DXの実現に向けた手段の一つとして大きな注目を集めているAI技術。最近では、省人化を図るためのツールとしてAIが活用されている一方で、専門人材不足などから本質的なビジネスの変革へとつながっている例は少ないのが現状です。
しかしながら本書の中では、「『技術としてのAI』から『戦略デザインとしてのAI』」へとシフトし、ゲームチェンジが進んでいると尾原氏によって指摘されています。つまり、専門人材にしか扱えなかった領域にあったAI技術はコモディティ化が進んだことで、企業の課題は“優秀な専門人材の確保”などから“企業戦略へいかにAIを取り込むか”に移っているというのです。

このとき重要となってくるのがAIを活用した自動化などの単純なデジタル化ではなく、いかにして組み込んでいくのかという「AI活用の戦略デザイン」だといいます。では、この戦略デザインを描くためにはどうしたらよいのでしょうか。
そのための鍵となるのが本書のタイトルにもなっている、「ダブルハーベストループ」という戦略モデル。このダブルハーベストループによって、企業はAIを利用しながら“勝ち続ける仕組み”を構築することができるといいます。本書の中ではこの戦略モデルを実装するためのプロセスについて6つのチャプターから説明されており、順番に読み進めていくことで思考法をキャッチアップできるように構成されています。
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- この記事の著者
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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