ビジネスプロセスの監視
ビジネスプロセス マネジメントでは、ビジネスプロセスが想定どおりに機能しているかを常にチェックすることで問題発生の予兆を検知し、問題が発生する前にビジネスプロセスを改善します。このためにはビジネスプロセスの実行状況を常に監視しておく必要があります。ビジネスプロセスが想定どおりに機能しているかどうかを判断するためには、判断基準となる指標とその目標値または基準値を定めて、この指標を監視します。
KGI(主要目標達成指標)
まず、ビジネスゴールが達成できたかどうかを判断するための指標が必要となります。この指標は客観的に計測することができ、評価できるものでなければなりません。主観的な値や抽象的な目標では、達成・未達成の判断を客観的に行うことはできません。このような、ビジネスゴールが達成できたかどうかを判断するため指標をKGI(主要目標達成指標)と呼びます。この指標を用いてビジネスゴールの達成基準が定義されます。「年間利益XX億円を達成する」や「顧客満足度をYYポイント改善する」といったビジネスゴールの例では、年間利益や顧客満足度などKGIとなります。
KPI(主要業績評価指数)
また、ビジネスプロセスが想定どおりに機能しているのかどうかを判断するためには、ビジネスプロセスごとの指標が必要となります。この指標も客観的に計測することができ、評価できるものでなければなりません。ビジネスプロセスの評価のために使用する指標をKPI(主要業績評価指数)と呼びます。この指標はプロセスの評価に用いるので、実行中のプロセスを計測することによって得られるものでなければなりません。例えば、受注から納品までのビジネスプロセスでは、納期(受注から納品までにかかる時間)や在庫の欠品率などがKPIとなります。
KPIツリー
ビジネスプロセスはビジネスゴールを達成するために実行されます。このためビジネスゴールの指標値KGIとビジネスプロセスの指標値KPIには関連があります。また、KPI間にも関連があります。これらの関連にはプラスの影響を及ぼす関連とマイナスの影響を及ぼす関連があります。例えば、売上というKPIは年間利益というKGIにプラスの影響を及ぼし、納期や欠品率というKPIは顧客満足度というKGIにマイナスの影響を及ぼします。
KGIやKPIの関連やその影響を木構造で表現したものをKPIツリーと呼びます。図1はKPIツリーの例です。この例では、売上というKPIは年間利益というKGIにプラスの影響を及ぼし、納期や欠品率というKPIは顧客満足度というKGIにマイナスの影響を及ぼすことを示しています。また、納期や欠品率というKPIは顧客満足度というKGIにマイナスの影響を及ぼすことを示しています。