Elasticは、リモート勤務をサポートするためにインフラを改革するIT部門責任者にとって、従業員のエクスペリエンス向上が新たな優先事項になっていることを示す調査結果を発表した。「The Changing Role of the IT Leader(変化するITリーダーの役割)」と題された調査は、世界的な感染拡大から1年を迎えた本年2月にForrester Consultingと共に実施したものだという。
世界10か国のCIOおよびITリーダー1,000人を対象としたアンケート形式で実施された本調査により、現在のような変革の時代には従業員エクスペリエンスを核とする適応型ビジネスモデルが、事業の回復力を高め、持続可能な競争力を生み出し、効果的な事業成長の要なることが示されたとしている。
新型コロナの流行が始まって以来、多くのグローバル企業では、リモート勤務やハイブリッドな就労モデルへの移行が恒常化。ITリーダーの60%近くは、従業員の柔軟な働き方を可能にすることで組織の適応力が向上すると考え、従業員エクスペリエンスと生産性を高めるためのテクノロジーに投資している。世界的に見ても、IT部門と人事部門の連携は強化されつつあり、パンデミックが始まって以来、57%のITリーダーが人事担当者とより密接に連携しているという。
景況に関して、世界の調査対象者の92%が「生き残りを図っている」、あるいは「現状維持」と回答。「成長中」は8%。
- アジア太平洋では、「成長中」と回答した企業の割合が中国(21%)と日本(16%)で「成長中」の企業数が全体の平均を最も上回ったのに対し、「現状維持」の回答率がオーストラリア(78%)で最多となった
- 欧州では、「生き残りを図っている」と回答した企業の割合がオランダ(64%)とドイツ(60%)で全体の平均59%を上回り、苦戦がうかがわれた
- 北米では、「成長中」と回答した企業はわずか7%で、その3倍の企業が「生き残りを図っている」と回答した
60%のIT企業はリモート勤務の生産性とパフォーマンスを支援するために、従業員エクスペリエンスの向上に投資しているが、そのための予算やツールは入手できていない。
- 63%の企業がデータアーキテクチャーを進化させ、データ分断化を削減することで、社員のデータアクセスの拡充を重視するデジタルビジネス体制への移行を優先的に実施している
- 世界のITリーダーの57%が過去12ヵ月間に予算を削減しており、35%が10%以上の予算削減を経験した
- ITリーダーの60%は、まだリモート勤務をサポートするための適切なツールや社内ポリシー/マニュアルを入手できていない
ElasticのIT部門ヴァイスプレジデント、キム・ハフマン氏は、「新型コロナウイルスの世界的流行から1年が経過した今、ITリーダーが、従業員エクスペリエンスをあらゆるテクノロジーに関する意思決定の中心に据えるべき時が来ていることをデータが示しています。ITリーダーは、従業員をサポートし、次世代の日常や完全に変化した就労形態に適応するために、社内プログラムを迅速かつ劇的に進化させ、加速させなければなりません」と述べている。
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