本当はもっと多いITグランドプラン2030のマイルストーン
(前編から続く)
――「ITグランドプラン2030」のロードマップの説明で、モード1とモード2という言葉が出てきました。各テーマの進捗状況を確認する上でもう少し理解したいです。
花田:バイモーダルでロードマップを整理すると図1のようになります。モード1とモード2には温度差がある。2021年4月からの新体制で自律分散型のティール組織を意識したのは、スピード感の違いをなんとかしたいと考えたからでした。DXの成功の鍵は、組織の一体感とスピードの掛け合わせだと思います。一部の部門だけスピーディーでも意味がない。かといって、みんなが一体になってもスピードが伴わなければ意味がない。一定期間集中して、ヒト、モノ、カネに力を注がないといけないと思っています。
――ロードマップを見ると、比較的早くから始めるテーマがあるようです。2022年からの開始に向けてどんな取り組みを進めているのでしょうか。
花田:EPC事業の現場は、国内はともかく海外では地政学リスクがプロジェクトの成否に影響するところが大きい。できるだけ見える化を進めておかないと、プロジェクト途中の着地予想で「こんなにお金がかかるのか」「こんなに工期がかかるのか」になりかねない。見える化の狙いは、データでプロジェクトのリスクを低減することにあります。リスクが見えれば、逆に我々のセールスポイントに置き換えることができる。見やすく描くと図1のようになりますが、キーワードとして記しているものは代表的なマイルストーンで、本当はもっと細かいマイルストーンを設定しています。例えば、記しているのはのぞみの停車駅だけで、こだまの停車駅は省略しているようなものです。また、開始時期も2022年から開始するのではなく、すでにパイロットプロジェクトが立ち上がり、着手しているものばかりです。