富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組んで来た著者の実践に基づくDX連載の第8回。著者は、富士通 デジタルビジネス推進室エグゼクティブディレクターの柴崎辰彦氏。今回から、シリーズの第2部となる「マインドチェンジ編」となり、実践のための5つのポイントを全5回でお届けする予定。DX人材に求められるマインドセットである「今、何が起きているのかを知り、自ら試す」について解説する。
DX人材に求められるマインドセットとは?
DXチャレンジ編に続き、本日からDXマインドチェンジ編を新たにスタートしたいと思います。連載の2回目「富士通の「SEの変革」から始まった『デジタル変革』」でもお話しましたが受託型SEから共創型SEへ、そしてデジタル変革(DX)に進むには大きな壁を感じていました。
デジタル化の時代を象徴する変化が激しく(Volatility)、不確実で(Uncertainty)、複雑性に満ち(Complexity)、暖昧性が増している(Ambiguity)というVUCAワールドでは、あらゆる面でこれまでの常識や考え方では通用しないと言われており、変化が求められています。
また、コロナウイルスの影響で様々な業種で大きな変革にチャレンジする必要性に迫られていることもDXチャレンジ編でお伝えしました(「コロナ禍はデジタル変革の推進を加速した」)。
このようなビジネス環境変化や要求に応える為に我々にはどのような心構え=マインドセットが必要となるのでしょうか? 経営に携わるエグゼクティブ層、リーダー層、チームを支えるスタッフ・エンジニア層では、それぞれ異なる心構えが必要になりますが、これからスタートするDXマインドチェンジ編では、DXを進める全ての人に必要となる5つの実践ポイントを解説していきたいと思います。
デジタル変革を実践するための5つのポイント
これからご紹介するポイントは、受託型SEから共創型SEへ、そしてデジタル変革(DX)の道を歩む方々に参考にして欲しいとの想いから整理したものです。個人で誰もがチャレンジすべきことから組織的な取り組みまで紹介していきます。

まず、実践ポイントの1つ目は、“今、何が起きているのかを知り、自ら試す”ということです。これまでのIT化の世界でもトレンドをリサーチしたりすることは多かったと思いますが、ここで強調したいのは、インターネットや書籍などで机上で調べるだけでなく、デジタル時代には“自ら試す”というスタンスがとても大切だということです。
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柴崎 辰彦(シバサキタツヒコ)
香川大学客員教授 富士通株式会社にてネットワーク、マーケティング、システムエンジニア、コンサル等、様々な部門にて“社線変更”を経験。富士通で初めてのデジタル部門の創設やサービス開発に取り組む。CRMビジネスの経験を踏まえ、サービスサイエンスの研究と検証を実践中。コミュニケーション創発サイト「あしたの...
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