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Go To Market戦略とは何か? BtoB市場で勝つための思考法

edited by DB Online   2021/11/18 08:00

Go To Market戦略とは

 Go To Market戦略は、企業がどのような市場で、どの製品やサービスで売上を上げたいのかの戦略です。“あの市場に行くぞ”戦略なのです。

 STPという言葉がビジネスの世界ではあります。S=「市場の細分化(Segmentation・セグメンテーション)」T=「ターゲット層の抽出(Targeting・ターゲティング)」P=「競合との差別化(Positioning・ポジショニング)」を表した言葉ですが、Go To Market戦略はこれを利用します。STPの結果で、どの市場をどのリソースで攻めるかを考えるのです。具体的には、次のような順番で進めることになるかと思います。

 1. 優先順位の設定:売りたい製品とサービスを、製品ポートフォリオから優先事項を設定します。競合を含めた市場の状況や現在の案件状況も考慮します。優先順位を決めるには、数字的な戦略だけなく、戦略に色をつけます。そのためには、古典的なやり方ですが、SWOT分析は有効な手段です。

 2. ターゲット・ポジションの設定:次にその製品やサービスをどこで売りたいかを考えます。どこで売るというのは、BtoBでよくあるのは、どの業種、どれくらいの売上規模や従業員がある企業で、どのような意思決定の特性をもっている、という軸で考えることが多いです。STPおける、セグメンテーションして、ターゲティングするのです。

 3. リソースの設定:そのような社内やパートナーなどの社外のリソースで、売るかを決めます。戦略とは、ある意味、優先事項に対して、どのようにリソースを割り当てるかです。企業の資産は、人、もの、金、そして、最近ではデータですが、データ以外は限りある資産であり、どのように優先事項に資産を割り当てるかが大事です。人とは、営業、マーケティング、営業をサポートする技術者、実装するコンサルティング、サポート要員などです。その際、人についてはスキルの評価も重要で、スキルが不足して場合は教育したり、採用したり必要があります。人が不足している、もちろん売れません。

 4. 担当・役割設定と教育:ポジショニングから導き出されたメッセージをもとに、マーケティングキャンペーンの準備や営業資料、営業教育を実施します。BtoBでは、単独でマーケティングが戦略を立てることは、避けなければいけません。

 そして、Go To Market(市場参入)するのです。

 売り物の製品とサービスについては、ソリューションが軸になります。私たちはBtoBの世界で、簡単に「ソリューションを提案する」と言いますが、そもそもソリューションとは何でしょうか? ここで定義したいと思います。ソリューションとは、「顧客のチャレンジであるペインポイント(痛みのポイント)を基準に、自社の製品を基盤に、その上でビジネスを解決するサービスを組合わる」ことです。サービスは他社が提供するものもあります。そして、重要なのは繰り返し、様々な企業で提案できることです。そうではない、ビジネスに拡張性がもてません。ですから、共有のペインポイントをもち、繰り返し提案できるとなると、業種の視点でターゲットセグメントを決定することが多くなるのです。

 BtoBは、営業組織が業種と規模で構成されていることが多いと思います。デマンド・ジェネレーションを担当するマーケティング組織も特定の営業組織ごとに構成して、ゴールを共有化するのが望ましいです。これによって、一心同体で、ゴールに向かいます。また、共通のメッセージを使うことで、マーケティング活動と営業活動がスムーズに連携できます。このためにも、最初にGo To Market戦略が必要なのです。



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著者プロフィール

  • 北川裕康(キタガワヒロヤス)

    クラウドERPベンダーのインフォア(Infor)のマーケティング本部長。33年以上にわたりB2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workdayなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションを担当。その以前は富士通とDECでソフトウェア技術者。マーケティング、テクノロジー、ビジネス戦略、人材育成に興味をもち、日々格闘中。

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