今回はマッキンゼーの技術トレンドレポートに書かれている「エッジでのイノベーション」「永続的に学習する文化」「IT-as-a-service」「信頼境界の拡大」を紹介し、 DeepTechによって求められる転換とは何かを考察します。
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DeepTechという言葉を、最近、よく見るようになってきました。名前から想像できるように、大きな社会的な課題をDeepなテクノロジーで解決しようとするのものです。Deepといっても、AI、ビッグデータ、IoTなど、我々が話題にしている技術とそれほど違いはなく、実は課題を解決する対象と投資額の問題といえます。基本的な技術は、DXであろうと、DeepTechであろうと、デジタルによる最適化であろうと、あまり変わらないことが分かります。
基本的なコンピューティングのアーキテクチャは変わらないものの、処理の粒度、スピード、そして、拡張性が飛躍的に増加しています。私がマイクロソフトに入った当時の1993年、1TBのハードディスク装置をみると、あまりの大きさに圧倒されましたが、現在は簡単に持ち運びが可能です。イーサネットも200Gb、400Gbなど、ますます高速化が進み、もうコンピュータの内部バスより速くなっています。コンピューティングパワー、帯域幅、アナリティクスの精巧さといったこれらの変化の大きさがドライバになり、AIや機械学習、ビッグデータ、3D、仮想化、ブロックチェーンなどが進化して、イノベーション、DX、DeepTechへの扉を開いています。これらの技術的なトレンドを理解して、自社のビジネスに応用する準備と提案することがこれからのIT部門に求められると考えます。
マッキンゼー社のレポート「Tech at the edge: Trends reshaping the future of IT and business」では、技術イノベーションが加速する中、企業は4つの根本的な転換を迫られていると述べています。その4つは、以下です。
- エッジでのイノベーション
- 永続的に学習する文化
- IT-as-a-service
- 信頼境界の拡大
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北川裕康(キタガワヒロヤス)
35年以上にわたり B2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workday、Inforなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションなどで執行役員などの要職を歴任。現職は、クラウドERPベンダーのIFSでマーケティングディレクター。...
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