FireEyeからGoogle傘下に
マンディアントは2004年に設立された米国のセキュリティ企業であり、インシデント対応の経験や知見に基づいた独自の脅威インテリジェンスを有している。世界に衝撃を与えた「APT1: Exposing One of China's Cyber Espionage Units」の発表後、2014年1月にFireEyeに買収され、2021年10月にマンディアントとして分社化された。そして2022年3月にはGoogleがマンディアントの買収を表明。買収額は約54億米ドル(約6700億円)とされている。
買収完了後、マンディアントはGoogle Cloudの1社となり、同社のセキュリティを補完。Googleでは、Google Cloudが提供するクラウドネイティブなセキュリティサービスと、マンディアントの脅威インテリジェンスを組み合わせることで世界中の企業を支援するという。
同CEOであるケビン・マンディア氏は、「マンディアントはGoogle Cloudセキュリティポートフォリオの一部として、『Mandiant Advantage SaaSプラットフォーム』を介して専門知識とインテリジェンスを大規模に提供します」とコメントを発表している[※1]。
マンディアントが形を変えていくことを受けて、「FireEyeでは、ネットワークセキュリティやエンドポイントセキュリティの製品でビジネス展開していましたが、そのコアの部分となる検知能力などにおいて、マンディアントの脅威インテリジェンスや侵害調査の現場で得られるリアルな経験・知見が活かされていました。その強みは変わらないと思います」と話すのは、マンディアントの執行役員でありマーケティング本部長である橋村抄恵子氏。
マンディアントがマネージドセキュリティサービスを提供する際に、たとえばFireEye傘下ではFireEye製品の導入が前提となっていた。しかしながら、分社化したことで制約がなくなり、どこのベンダーの製品を導入していてもサービスを柔軟に提供できるようになる。その違いは大きいと橋村氏は指摘する。
[※1] 参考:「Google Cloud によるMandiant買収について」(Mandiant)