ガートナーが2022年のデータ・アナリティクス(D&A)に関するトップ・トレンドを発表した。大枠のトップトレンドとして「ダイナミズムとダイバーシティの活性化」、「人材と意思決定の強化」、「信頼確保の制度化」の3つの分類をあげている。
「ダイナミズムとダイバーシティの活性化」では、データ共有に焦点を当てる。コロナ禍といった世界情勢により、データ共有の必要性が一気に高まったことを受け、政府や民間でのデータ共有の活用を訴える。同社は2026年までに、社内外のデータ・エコシステムに自動化された信頼基準が適用されることで、外部のデータ仲介者の大半は市場から排除され、データ共有のリスクが半減するという。
「人材と意思決定の強化」については、2025年末までに最高データ責任者(CDO)の大半が人材のデータ・リテラシーを向上させることは難しいとしている。同社の調査では、D&Aの人的な要素を優先して取り組む組織はテクノロジーに偏重する組織よりも成功を収める割合が高いことから、人材に焦点を当てることで、より幅広いデータ・リテラシーやデジタル学習が促進されるとのことだ。
「信頼確保の制度化」では、AIについて言及。AIは多くの組織でその活用にあたっての解釈や説明ができず、信頼性と透明性の欠如を招いているという。急速に進むAIイノベーションのリスク管理に備えない結果、誤った意思決定を下すなど、AIモデルの誤作動による悪影響が増大すると予想。
そのため2026年までに、信頼できる目的志向のAIを開発する組織の75%はAIイノベーションで成功を収めるものの、そうでない組織では40%にとどまると同社は予想している。
【関連記事】
・IT投資の差が企業間格差に ガートナーが2022年のIT支出予測を発表
・日本の「デジタル化」7割は2025年まで停滞か ガートナーが展望を発表
・セキュリティ責任者が取り組むべき7つのトレンド ガートナーが発表