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北川裕康のエンタープライズIT意見帳

IT部門にも影響大の「ネットゼロ」、避けられない報告義務対応とは?

PUEを意識する必要

 私はCisco Systemsで勤めていた時に、データセンターのビジネスにも関与していましたが、当時から省電力化はキーワードでした。グリーンデータセンターです。そのときも、以下のPUEが、データセンター等IT関連施設におけるエネルギー効率を測定する指標の1つとして用いられていました。単に電力消費量を削減するだけでなく、このPUEを意識する必要があります。

 PUE = データセンター全体の消費電力量(kWh)/ IT機器の消費電力量(kWh)

 このPUEの値が小さいほど、データセンターの電力効率が良いとされています。

 データセンターには、サーバー本体、ストレージ、ネットワーク機器、管理端末といったIT機器があります。無停電電源装置も必須ですね。これらの消費電力もありますが、米APCの調査では、実は冷却用設備の消費電力が全体の45%を占めます。そして、残り30%がIT機器の消費電力で、25%が電源設備などです。IT機器は、集積度が高ければ高いほど、省スペース化が図れる一方、発熱が多くなりますので冷却がより必要になります。このあたりのバランスが必要になります。

 PUEを考えると、IT機器以外の消費電力をどう減らすかによって、その値が小さくなり、電力効率が上がるということです。良いニュースとしては、データセンターの需要が爆発的に伸びていても、半導体ディスクなどのIT機器の進化によって、電力効率が大幅に改善しているというレポートがあります。ただ、報告の義務化は、付きまとってくると思います。

 だからといって「わが社はデータセンターを持たずにクラウドを採用しているので関係ない」と思うのは、早計です。クラウドに移行していても、PCやネットワーク機器は企業内に残るわけですから、その電力消費量や生産・廃棄からの排出量を管理する必要があります。

 また、製造においてサプライチェーンまでカバーする必要があるように、SaaS、IaaS、PaaSであっても、自社が使用しているクラウドの基盤となるコンピューティングリソースで、どれくらいの電力消費量や生産・廃棄からの排出があるかのデータをクラウドベンダーから入手して、それを報告に入れ込む義務がでてくると予測します。クラウドベンダーに一度、この質問を投げかけてみるといいと思います。クラウド選択の1つの基準に、排出量が含まれる日も遠くないということです。

 以上が、私でも想像できるネットゼロによるIT部門への最低限の影響を予測したものです。ざっと簡単に書きましたが、多くの未解決チャレンジがあります。

 たとえば、電気の元となる電源は、風力、火力、原子力なのかによってCO2の排出が異なり、どのように算出するのか。ネットゼロですから、削減だけでなく、CO2を吸収するようなコンクリートを使った場合、どのように排出量マイナスを計算するか。食品やアルミなどの廃棄物をリサイクルして、本来必要だったCO2を削減した場合、どのように貢献度を算出するのか、などです。さらに、物流においてどのように排出量を正確に測り、物ごとにそれを配分するのか、などです。気が遠くなりそうです。

 また、IT部門には直接関係ないかもしれませんが、今後、CSOがChief Strategy Officer、Chief Security Officerではなく、サステナビリティを責任とするChief Sustainability Officerに変わる時期が近いのかもしれません。進んでいる企業ではそうなってきています。

 ぜひ、これらを考慮して、日々勉強して、セットゼロに備えていただきたいです。不確定要素は多くありますが、IT部門も他人事ではありませんよ。

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この記事の著者

北川裕康(キタガワヒロヤス)

クラウドERPベンダーのインフォア(Infor)のマーケティング本部長。33年以上にわたりB2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workdayなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションを担当。その以前は富士通とDECでソフトウ...

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