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大阪ガスのデータ分析チームが「失敗プロジェクト」から学んだ、見つける/解く/使わせることの重要性

リードアーキテクト 國政秀太郎氏が語る「データドリブンな組織の作り方」とは

 データドリブンな組織とは、「戦略」「業務」「人/組織」「データシステム」の4つの要素が円滑に運用できている組織の状態だ。データドリブンな組織を作る上では、データ活用の目的を明確にし、データを活用する文化やリテラシーを形成する必要がある。本稿ではprimeNumberが主催するデータマネジメントを考えるイベント「01(zeroONE)2022 Autumn」で大阪ガスのリードアーキテクト 國政秀太郎氏が行ったセッションを紹介する。

データ分析が失敗する「見切り発車型」「宇宙人型」「欠席裁判型」の3つのパターン

 大阪ガスのビジネスアナリシスセンター リードアーキテクトを務める國政氏は、同社で機械学習(ML)を用いたマーケティング意思決定支援、IoT商材の新規事業支援、仮想発電所制御システムの開発などを行い、データ分析とクラウドを用いたアーキテクトの2つを駆使してプロジェクトを推進している。

 大阪ガスではBtoC、BtoBのエンドユーザー向けに、ガス機器の開発から販売、メンテナンスまでトータルサポートを提供。都市開発やフィットネス、ホームセキュリティなど、顧客の暮らしに寄り添うサービスも展開している。

 國政氏が所属するビジネスアナリシスセンターは、社内データの分析を主とした年間30以上のプロジェクトを回している。同氏は「データドリブン組織になるまで、これまでさまざまな失敗を乗り越えてきました」と述べ、具体的な事例について説明した。

 最初に大阪ガスの事例から、失敗するプロジェクトは3つに類型化されると解説を始める。

 1つ目は「見切り発車型」だ。データ分析は、データさえあれば始めることができる。しかし、投資対効果や分析後のアクションが事前合意できないままプロジェクトを進めてしまうと、ビジネス実装時に費用対効果が出せずに頓挫することになるという。

 2つ目は「宇宙人型」。データ分析は、実際に使うビジネスユニットがきちんと理解した上で使わなければならない。しかし、ビジネスユニットへのプレゼン資料に専門用語を入れたり、説明が統計やML関連のものに終始したりしてしまうと、ビジネスユニット側は分析結果をうまく業務に落とし込めず、結局使用しなくなる。

 3つ目は「欠席裁判型」だ。データ分析チームは、社内のさまざまな事業部のメンバーと関わらなければならない。しかし、直接の意思決定者でない人とばかり話を進めてしまうと、キーパーソンの合意がないまま話が進んでしまうことがある。その結果、現場から反発を受けてプロジェクトが遅延してしまったり、導入しても現場が分析結果を活用しなくなったりするという。

プロジェクトの失敗は、社内コミュニケーションに起因するものが多い
プロジェクトの失敗は、社内コミュニケーションに起因するものが多い
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データ分析を始める前に、「意思決定」と「利益」に貢献できるのか吟味する

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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