トレンドマイクロは、5G/ローカル5G環境および5G以降の高速通信規格向けにサイバーセキュリティを提供する子会社「CTOne(シーティーワン)」を設立したと発表した。
高速大容量、高信頼・低遅延、多数同時接続といった5Gの特長により、昨今では多くの法人組織でプライベート5Gの利用検討が進められているという。
Grand Viewの調査レポートによれば、全世界において2021年のプライベート5Gの市場規模は13億8,000万米ドルにも上り、2022年から2030年にかけて年平均成長率は49.0%まで拡大すると予想されている。
一般的に5Gは、最も安全な無線通信規格と見なされている。一方で、「広く利用されているオープンRAN構成」や「急増するクラウドネットワーク」、「オープンソースソフトウェア」、「多様なIoT デバイス」により、5G/ローカル5G環境はこれまで以上に多くのサイバーセキュリティの脅威に直面しているとのこと。
そのため、あらかじめセキュリティを組み込むことでCTOneは、通信技術(CT:Communication Technologies)、IT、OTのような異なる技術をベースに複雑に構成されている業界特有のアプリケーション環境のデジタルレジリエンス(強靭性)を強化する。
同社は、5Gネットワーク環境におけるアプリケーションの安全な実行と、ネットワークからエンドポイントまでの包括的なセキュリティ保護を提供するとしている。
今回の発表を受け、CTOneのCEOであるJason Huang(ジェイソン・ファン)は、次のように述べている。
「今日の安全性は、明日の安全性を保障することにはなりません。通信技術市場が活性化している昨今において、法人組織のビジネスオペレーションは一層複雑なリスクにさらされています。CTOneは、潜在的なサイバーセキュリティの脅威から5G/ローカル5G環境を保護し、高品質な業界特有のアプリケーションのエコシステム構築を可能とします。将来的には、パートナーと協力することで包括的なセキュリティソリューションを提供し、5G/ローカル5Gのメリットを最大化します」
【関連記事】
・トレンドマイクロ、2023年セキュリティ脅威予測を公開
・セキュリティインシデントによる年平均被害額は約3億円 トレンドマイクロが調査結果を発表
・脅威の兆候や不審な振る舞いユーザの資産アクセスを動的制御 トレンドマイクロが新ソリューションを発表