はじめに
Wordで文書を作成する際、例えば、会社のロゴ画像を透かしにしてすべてのページの背景に中央に配置したい場合がありますよね。報告書を罫線をふくめて印刷が必要な場合、まず、表形式で罫線を作成し、その中に文字入力しようとすると、行末で次の行に文字が流れず、同じセル内で行が折り返されて困ったことはありませんか?
そこで今回は、このような問題を解決できるWordのレイヤー構造を利用してみます。具体的には、すべてのページに自動的に透かし画像を挿入する方法、罫線を含めたレポート文書のうまい作り方、そして最後に、定型文書テンプレートの作成方法について紹介します。
Wordのレイヤー構造
Word文書は、実は4階層になっています。文章などを入力するテキストレイヤーの前面と背面にレイヤーがあり、さらに一番下の階層にヘッダーやフッター用のレイヤー(ヘッダー・フッターレイヤー)があります。 例えば、通常、図形やワードアートはテキストの前面レイヤーに存在しますので、テキストレイヤーの文字と重なった場合、下にある文字が隠れます。
この中で、「ヘッダー・フッターレイヤー」は他と少し扱いが異なります。
「ヘッダー・フッターレイヤー」は、ページ番号をつけたり、レターヘッドロゴをつけたりできる領域ですが、そこに設定されたものはセクション内のすべてのページに反映されます。他の3つのレイヤーでは、文字や画像は、対象となるそのページにしか存在しません。
つまり、すべてのページに反映させたい要素は、「ヘッダー・フッターレイヤー」に貼り付ければいいのです。ただし、一番下の階層にあるため、あくまでも背景として考えてください。
ヘッダー・フッターレイヤーに存在する文字や画像などは、文書内の各ページに共通して表示されるため、ウォーターマーク(透かし)とも呼びます。
ヘッダー・フッター領域に画像を挿入してみよう
すべてのページに共通して表示される背景画像を設定するには、まず、ヘッダー・フッターの編集画面に切り替えなければいけません。 ここでは、ヘッダー・フッター領域に図をファイルから挿入する方法を紹介します。
- [表示]-[ヘッダー・フッター]をクリックします。
- ヘッダー・フッター編集画面に切り替わるので、[挿入]-[図]-[ファイルから]を選択します。
- [図の挿入]ダイアログボックスが表示されるので、貼り付けたい画像を選択して、[挿入]ボタンをクリックします。
- [ヘッダー・フッター]領域に図が挿入されました。