上場企業は各社とも総力戦でJ―SOX1年目を何とか終えたものの、この態勢を今後も維持継続していくことは許されず、いかに効率的に対応していくかは、各社共通の喫緊の課題である。本稿ではJ―SOX対応の効率化、コスト削減を進めていく上での考え方をまとめた。(前編はこちら)
評価を最適化する(1)~母集団の最適化、共通化
不適切な母集団の選定をしてしまうと、いくらサンプリングをして、一生懸命に評価しても、無駄骨になってしまい、徒に工数増となるだけである。なぜ母集団はこれでないといけないのか、その母集団は適切かを吟味する必要がある。合わせて、共通化が図れないかの検討を行う必要がある。
母集団が適切かどうかのポイントは、その母集団の合計値が重要勘定のどれと直接的、間接的に一致する必要があるかの確認と、実際に一致しているかどうかのチェック、及び母集団の明細とエビデンスが対応しているかどうかである。
この作業を行っていくと、重要な勘定(売上、売掛金、棚卸資産等)が同じであるキーコントロールのグ
ループは、同じ母集団を使って評価できる可能性が検討できる。母集団の最適化、共通化はテスト工数の大幅な削減に寄与するので、検討することをお勧めする。
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関口 善昭(セキグチ ヨシアキ)
SAPジャパン株式会社
ビジネスユーザー&プラットフォーム事業本部
GRC/EPM事業開発部
シニア・マネージャー
公認内部監査人(CIA)
早稲田大学大学院非常勤講師
大手外資系消費財メーカーでM&Aに伴うシステム統合、マニラのシェアードサービス...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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