SAPは、マイクロソフトとのパートナーシップにおける次のステップとして、エンタープライズ対応のジェネレーティブAI(生成AI)を用いて、顧客のビジネス課題解決を支援することを発表した。
両社は、「SAP SuccessFactors」のソリューションと「Microsoft 365 Copilot」および「Copilot in Viva Learning」、自然言語を分析・生成する言語モデルにアクセスするためのMicrosoftの「Azure OpenAI Service」を統合し、協業。AIにより、チームの採用・育成を支援するという。
両社の取り組みは以下のとおり。
採用管理
SAPは、Azure OpenAI Service APIとSAP SuccessFactorsソリューションのデータを活用し、職務経歴書を作成。「SAP SuccessFactors Recruiting」とMicrosoft 365の統合により、人事部および事業部門のリーダーはMicrosoft WordのCopilotを使用して、偏りを検出するためのコンテンツやチェックを追加し、職務記述書を微調整できるとしている。
その後、職務経歴書はSAP SuccessFactorsソリューションで公開される。SAPはAzure OpenAI Service APIを活用し、候補者の履歴書、職務内容、類似職種に基づいた質問候補を「Microsoft Teams」内で面接官に提供する予定だという。
学習管理
SAP SuccessFactorsソリューションと「Microsoft Viva Learning」の統合により、従業員はViva LearningのCopilotを使って自然言語クエリを実施。従業員のキャリアと開発目標に沿ったSAP SuccessFactorsソリューションのデータと学習コースに基づいて、パーソナライズした学習推奨事項を作成できるようになるとしている。
学習が完了すると、SAP SuccessFactorsのポートフォリオが自動的に更新され、企業は組織内のスキル状況について最新のビューを取得可能。この機能強化は、現在利用可能なコンテンツ、割り当て、権限、SSO同期、および2023年後半に顧客に提供される自動管理設定エクスペリエンスとの統合を基盤としているという。
【関連記事】
・SAPとGoogle Cloud、オープンデータサービスを提供 企業のデータ活用など支援
・SAPのソリューションに「IBM Watson」を組み込みへ
・クラウド売上は24%増、すべての地域で堅調──SAP 2023年度第1四半期業績