2023年8月1日、三井住友カードはCustellaの新サービス説明会を開催した。
Custellaは、キャッシュレスデータを加盟店のマーケティング支援に活用できるサービス。ここ20年でキャッシュレースデータが増大しており、クレジットカード会員の属性データや加盟店での決済データなど1000万人超の会員データを有しているという。特に、コロナ禍を経た数年でキャッシュレス決済比率がさらに高まっており、2018年以降はQRコード決済も増えてきていると説明する。
三井住友カードでは、同サービスを担うデータ戦略部組織も拡充させており、データアナリスト、データサイエンティスト、データエンジニア、データビジネスプランナーという4職種を軸としてデータ活用に取り組み、同職種の中途採用も増やしていると話す。同社マーケティング本部 データ戦略部 データビジネスグループ部長代理 登坂崇平氏は、顧客理解や商圏内での購買行動、プロモーションの3つおいてCustellaを主に活用できると紹介。消費トレンドを可視化する「Custella Trend」、顧客属性の特長を把握するBI「Custella insight」、消費分析地図サービス「Custella Maps」などのサービス展開が進められている中で、今回新たに「拡大推計消費データ」に対応することが発表された。
この背景として、カード決済や現金払い、QRコード決済を含めた消費量を把握したいというニーズが高まっていたことが大きいという。まずは、Custella Mapsに拡大推計消費データを搭載した形でサービス提供される。なお、拡大推計消費データの開発においては、日本総研がビッグデータ解析などを担当し、ゼンリンマーケティングソリューションズが日本各地域における特性を考慮した推計ロジックを構築。同部 データサイエンスグループ部長代理 堀郁哉氏は「3社のノウハウや知見があわさることで、信頼性のある拡大推計手法を実現できている」と強調する。
拡大推計消費データが搭載されたことでCustella Mapsは、キャッシュレスデータや購買データを基にした顧客理解、出店戦略の策定により活かせるようになったとして、「従来の商圏分析ツールは人口動態を中心としたものだが、顧客の趣味や趣向性など『人の質』からも商圏の判断に活かせることが特長だ」と登坂氏。人口総数が多いエリアでも実際の消費活動が少ないなど、決済データによる商圏分析で“リアルな消費量”が把握できるとした。既に小売業や飲食業、サービス業を中心に導入が進んでいるという。また、業種別に「推計消費額」「推計購買回数」「推計客数」などを数値として算出することができるため、数値的根拠としても利用できる点も支持されているとのことだ。
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