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週刊DBオンライン 谷川耕一

Oracle NetSuiteで明かされた、生成AIの価値を最大化する「Suiteness」とは?

Oracle NetSuite 「SuiteWorld」レポート#2

 2023年10月17日、米国ラスベガスで開催されたOracle NetSuiteの年次カンファレンス「SuiteWorld」の続報をお届けする。Oracle NetSuiteの年次カンファレンス2日目の製品に関する基調講演では、NetSuite アプリケーション開発担当 SVPのゲイリー・ワイズシンガー(Gary Wiessinger)氏が、「エクスペリエンス」「AI」「Suiteness」と言う3つを重点項目として今後も進化を続けることを明らかにした。

Suitenessの利点は「AIの利点を超える」こと

NetSuite アプリケーション開発担当 SVP ゲイリー・ワイズシンガー(Gary Wiessinger)氏
NetSuite アプリケーション開発担当 SVP ゲイリー・ワイズシンガー(Gary Wiessinger)氏

 基調講演のステージでワイズシンガー氏は、「ユーザー・エクスペリエンスは、過去25年間の長い道のりを歩んできたNetSuiteにおいて、最も基本となる領域です。ビジネスアプリケーションがWebから使えなかった時代に、NetSuiteのユーザー・インターフェイスは画期的なものでした。NetSuiteは25年間に亘りクラウド上でのユーザー・エクスペリエンスで革新を続けており、その勢いは今も衰えていません」と言い、NetSuiteのユーザー・インターフェイスの進化の取り組みに自信を見せる。

 NetSuiteのユーザー・インターフェイスのデザイン原則は、より少ない行動でより多くのことを実現することだ。それによりアプリケーションを使う業務を行う際に、人々が細部の処理のために時間を費やすのではなく、判断や専門知識を生かすことに集中できるようにする。キー入力やマウスのクリックをゼロにはできない。しかし、それらをなるべく削減できるように努力している。そのためにさまざまなユーザーが実際に利用するのと同じ画面を想定し、ユーザーが洞察を得られるようにする。ベストプラクティスを学ぶことで、仕事をやりやすく、より簡単にする方法を導き出すと説明する。

 たとえばレストランやリゾート施設などの予約をするコンシューマ向けサイトでは、ユーザーが何らか入力する前にニーズを先取りして選ぶべき候補を提示してくれる。それらと同じようなことを、ビジネスアプリケーションでも実現する。その際に利用するユーザーに合わせ、推奨するものは最適化される。そのようにユーザーごとにユーザー・インターフェイスがカスタマイズされることで、アプリケーションは特別なものになる。

 「ユーザーはシステムを理解するために努力する必要はありません。そのようなアプリケーションが提供されるべきなのです」とワイズシンガー氏。業務に使うアプリケーションの使い方を理解することは、人々の仕事ではない。そのようなデザインコンセプトの許で、NetSuiteのエクスペリエンスが進化を続けていることとなる。

 今後NetSuiteが注力するもう1つがAIだ。NetSuiteにとってAIは、既に長い間活用している技術でもある。これまではNetSuiteの一部の機能でAI、機械学習の技術を用い予測などを行ってきた。今後はNetSuiteのあらゆるところに、AI技術を取り込んでいくことを改めて表明する。「ユーザーが最善の決定を下し、それをより速く行えるようにするためにAIを活用します。計画中のものも含めAIを使う80の異なる機能やソリューションがあります」とワイズシンガー氏は言う。

 AIのブームは今や最高点に達しており、誰もがAIをどう使うかの話をしている。どのテクノロジーベンダーも、自社のAIの取り組みについて説明している。そのような状況の中でAIをより強力なものにできるのがNetSuiteだとワイズシンガー氏は言う。なぜかと言えば、3つ目の注力ポイントであるSuitenessがあるからだ。Suitenessの利点は、AIの利点を超えると言う。

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ワークフローとデータへのAI適用で部門間障壁を超える

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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