グーグル・クラウド・ジャパンは、11月15日から2日間、4年ぶりとなる「Google Cloud Next Tokyo '23」を東京ビッグサイトで開催。生成AIとAI、機械学習をテーマとしたDAY1基調講演において、中外製薬 上席執行役員 デジタルトランスフォーメーションユニット長の志済聡子氏が、新薬創出を加速するためにGoogle Cloudの医療機関向け生成AIモデルである「Med-PaLM 2」を活用すると発表した。
中外製薬では、高度な専門性と正確性を担保しながら、効率的に臨床試験計画を作成するため、新たにGoogleのAI基盤および医療用大規模言語モデル(LLM)Med-PaLM 2の採用を推進。Med-PaLM 2は、難しい医学文章の内容を用いて質問に答えたり洞察をまとめたりすることができ、X線やマンモグラフィーなどの情報を統合するためのマルチモーダル機能も搭載されているという。
Med-PaLM 2を活用することで、チャットボット形式で治験関係文書を検索、処理し、臨床試験計画に必要な情報を抽出できるとのこと。また、文書のドラフトを代行することで、臨床試験計画の作成にかかる時間を短縮することが可能となり、スピーディーに臨床試験を開始し、薬を必要な患者へ早く届けることが期待されるとしている。
中外製薬 上席執行役員 デジタルトランスフォーメーションユニット長 志済聡子氏のコメント
中外製薬は、DXに関わるチームメンバーがさらにステップアップし、また、AIを活用できる人材育成を加速するため、単なるクラウドベンダーではなく、パートナーとしてともにゴールを目指していけるGoogle Cloudを採用しました。今後、中外製薬は、AI技術を活用して医薬品開発の成功確率向上を推進するとともに、創薬プロセスの時間やコストを大幅に短縮し、圧倒的な効率化と革新を実現します。
グーグル・クラウド・ジャパン 日本代表 平手智行氏のコメント
日本の製薬業界において、生成AIを活用した創薬研究のDXが進んでいます。中外製薬は、既にマルチクラウド環境でGoogle Cloudを用い、新薬創出を加速させています。この度、Med-PaLM 2の活用により、新薬創出プロセスの大幅な短縮と医薬品開発の成功をご支援できることをうれしく思っています。
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