New Relicは、「2023 オブザーバビリティ予測レポート」の調査結果を発表した。
同調査は、日本を含むアジア太平洋、ヨーロッパ、北米にわたる15ヵ国の技術プロフェッショナル1,700名を対象に、オブザーバビリティの現状や成長領域、オブザーバビリティへの投資や導入に影響を与える外部要因について調査を実施したものである。
調査では、ビジネスへ影響の大きいシステム停止にともなうコストとして、回答者の32%が1時間あたり50万ドル以上かかると回答した。年間停止コストの中央値は775万ドルであったとしている。
今回の調査における日本の特長として、同社は障害発生後の復旧時間が長いことを挙げている。重大障害からの復旧時間が60分超の割合は、世界平均で33.5%であるのに対し、日本では45.6%となっているという。この理由として、障害検知を手動で行っており、マニュアル運用率が高いことが考えられるとしている。
また、オブザーバビリティのニーズが高まっている要因として、ほぼ半数の回答者(49%)が「セキュリティ・ガバナンス」への関心を挙げており、次いで「ビジネスアプリケーションのワークフローへの統合」「AI技術の活用」の順となっている。一方、日本に絞って見ると「AI技術の活用」がニーズを促進するトレンドの1位となっているという。
今後の導入意欲については、回答者の82%以上が2026年半ばまでに17の異なるオブザーバビリティ機能をそれぞれ導入すると回答。日本ではいずれの分野においても、1年以内にオブザーバビリティ導入へ意欲を示す割合が高くなっている。
こうした結果を踏まえ、同社はNew Relic AI Monitoring(AIM)の提供開始を発表。AIMは、AIアプリケーション向けのAPM(アプリケーションパフォーマンスモニタリング)ソリューションだという。これにより、AIアプリケーションスタック全体にわたる可視性と洞察をエンジニアに提供するとしている。
AIMには、LLMの応答のトレースやモデル比較などの50以上のインテグレーションと機能が用意されており、エンジニアチームがLLMベースのアプリケーションを構築、実行できるよう支援するとのことだ。
さらに同社は、AIMがAmazon Bedrockと統合されることも発表した。AIMは、Amazon Bedrockでサポート対象の全モデルに対して、パフォーマンス、コスト、トークン、幻覚症状、バイアス、有害性、公平性などの品質問題に関するLLMプロンプトとレスポンスをトラブルシューティング、比較、最適化するための単一のビューを提供するという。New Relicは同連携によって、エンドツーエンドのオブザーバビリティを実現するとしている。
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