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ビジネス・ユーザー主導型ビジネス・アクティビティー・モニタリングの実現

BPM Solution Forumレポート

現在のビジネス・パフォーマンスが適切か否かは、可視化によって把握することができる。適切なKPIを設定し、アラートを定義して、アクションを起こすことができれば、ビジネスの俊敏性が向上し、意思決定も迅速になる。ビジネス・ユーザー主導で実現するビジネス・アクティビティー・モニタリング構築の実際がデモを交えて紹介された。

ビジネス・パフォーマンスは可視化がカギ

 “そのビジネス活動は適正な水準を満たしているか?”ビジネスの状況がめまぐるしく変化する今日、私たちは常にこの問いを持つべきだろう。「迅速問題解決ができているか」「現在のビジネス・パフォーマンスは適切か」「スタッフ配置は効果的に行われているか」その枚挙に暇は無い。

 では、それらをどのように解決できるだろうか。「現時点で、企業で発生しているビジネス活動のパフォーマンスを可視化し、それらに対応するためのアクションを取れる体制を確立することで、企業は機会増大とリスク低減を実現することができる。IBM WebSphere Business MonitorをベースとするBAM(Business Activity Monitoring)は、このリアルタイム可視化を確実に実現するソリューション」と日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 テクニカルセールス&サービス 有衛恵子氏は述べる。

日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業 テクニカルセールス&サービス
有衛恵子氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 テクニカルセールス&サービス 有衛恵子氏

BAMはリアルタイム可視化のソリューション

 Business Monitorが可能にするのは「可視化」「問題の発見とアクション」「分析と業務改善」の3つ。まずは、ビジネスユニットで設定したKPIを使ってビジネスの状況を把握し、進捗を管理するための環境を提供する。もし、何らかの対応を要する状況があれば、関係者にアラート通知したり、解決のためのチーム間のコラボレーションを支援する。これらのビジネスの傾向をレポートとして表示し、分析に利用するための環境も備えている。

 こうした機能は、BI(Business Intelligence)にもあるといわれているが、BAMとは違うと有衛氏は語る。「BIは過去のパフォーマンスを見るものです。昨日やそれ以前のビジネス・パフォーマンスがどうだったかを見るのがBIであるのに対して、BAMでは現状を把握する。今起こっている問題を特定して、解決に向けてただちにアクションをとることができる」(有衛氏)

 企業情報システムのほとんどはBAMでイベント監視することができる。データはソースからXMLファイルで送信する仕組みだ。例えば、“顧客の希望する納期の遵守率”“与信審査にかかっている時間”“与信審査での滞留数”などのデータを各システムからリアルタイムで収集し、モニタリング対象のインジケータとしてシステム上に可視化するわけだ。

ビジネスロールに応じたビューの提供が可能

 ニューヨーク州税務当局もBAMを活用した事例のひとつだ。年間1000万人もの個人所得税を中心に、法人税、セールス税など83億ドルを取り扱う同局では、Business Monitorの大きな特長の1つである“役割に応じたビュー”を活用している。業務担当者、マネージャー、エグゼクティブといった3階層のビジネスロールに従って、適切な内容のデータが適切なボリュームで提供する仕組みを取り入れたのである。

 業務担当者ビューでは、個々のワークリストが表示され、業務担当者自身が自由に画面を構成できる。役割に基づいて利用できる機能が割り当てられるため、1つの作業にかかる時間が40%削減し、1日に処理可能な納税申告件数が増加した。

 また、マネージャー・ビューでは、自らのワークリストともに、マネージャーの管理下にあるワークアイテムの確認やそれらのワークアイテムの進捗管理に焦点が置かれた。計画的に仕事が進められるようになったことで、例外の対応作業が60%、未処理作業が80%削減でき、納税率を向上させるための情報を取得できる時間的余裕を持てるようになった。

 エグゼクティブ・ビューでは、さらにスコープを広げて、ビジネス・プロセスの種類、ビジネス・ユニット、期間などを指定して動的にレポートを作成する機能や、ビジネス指標を示すダッシュボードが置かれた。結果として、今までより信頼性の高いタイムリーなレポートが入手できるようになり、それに基づいて適切なアクションを迅速に起こせるようになったという。

変化するニーズに対応するならBAM構築

 米国のサプライチェーンプロセス管理会社トレードメリットもBAMの構築を行なったケースだ。この会社では、サプライチェーンを遂行する上でカギを握るビジネス・アクティビティーを常にチェック。例外を検知した場合、それに対処するためのプロセスを自動的に走らせる仕組みをBAMで構築した。

 従来発生していた取引の遅れを53%、過剰在庫を23%、特急便の割り増し輸送コストを18%、それぞれ削減するとともに、物流業者のサービス・レベル可視化によりその業務評価が行えるようになったという。

 講演では、IBMのビジネススペースによって、Business Monitorが容易に始められる様子をデモンストレーションする一幕も見られた。変化するニーズに対応したBAMの構築を短期間で実現できることを来場者に訴求した。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://enterprisezine.jp/article/detail/1892 2010/05/11 11:57

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