モダナイゼーションを推進し、最高水準のエンタープライズAIを提供へ
(日本オラクル)
2023年を振り返って
日本企業が直面するITコスト構造の変革とデジタル化による競争力の強化のため、企業はトランスフォーメーション実現をますます加速させていく必要があり、当社はそれを支えるソリューションを提供してきました。業界を代表する多くの新たな企業がミッション・クリティカル・システムへの「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」採用や本格稼働を開始した年でもあります。間接業務の省人化・自動化、人的資本経営を推進する「Oracle Fusion Cloud Applications」も多くのお客様に採用いただき、稼働を支援しました。
また、生成AIが広く注目を集めた年でもあり、オラクルも企業向け生成AIを開発するCohereと提携するなど、「Oracle Cloud」全体にわたる生成AIサービスを発表しました。オラクルでは、エンタープライズ生成AIの需要拡大を見据え、IaaS、PaaS、SaaSにおいて、AI/生成AIへの取り組みを進めてきました。圧倒的な高コスト・パフォーマンスを発揮するAIインフラストラクチャ、エンタープライズ向け生成AIサービス、最新のAI技術を組み込んだクラウドネイティブSaaSアプリケーションを提供しています。
日本オラクル
取締役 執行役 社長
三澤 智光氏
1964年4月生まれ。横浜国立大学卒。87年、富士通に入社。95年、日本オラクルに入社。専務執行役員テクノロジー製品事業統括本部長、副社長執行役員データベース事業統括、執行役副社長クラウド・テクノロジー事業統括などを歴任。2016年、日本IBMに移籍。取締役専務執行役員IBMクラウド事業本部長などを務める。20年12月に日本オラクル執行役社長に就任。21年8月より取締役を兼務。
2024年の展望
新しいビジネスモデルや環境の変化、セキュリティリスクへの対応、エンタープライズITの技術進化を主導すると考えられる生成AIの活用のためには、レガシー・システムのバージョンアップが日本企業にとって喫緊の課題です。
2024年度の日本オラクルの事業戦略は「日本のためのクラウドを提供」と「お客様のためのAIを推進」の2つの方針を掲げています。引き続き、日本市場においてレガシー・システムのモダナイゼーションを推進し、エンタープライズ向けの最高水準のセキュリティ、パフォーマンス、効率性を持つAIを提供します。そして、ガバメントクラウドへの取り組みについても、デジタル庁、自治体、パートナーと連携し、「Oracle Cloud」の提供のみならず人材育成にも注力していく予定です。
これらにより、日本の企業のレジリエンス向上を支援し、安定的で信頼性の高い社会公共基盤の構築に貢献する「TRUSTED TECHNOLOGY ADVISOR」としての役割を果たしていきます。
グローバルの新経営ビジョンに向け改革を推進
(PwCコンサルティング)
2023年を振り返って
コロナ禍が落ち着きを見せる一方、世界で発生する紛争、景気の先行き不安、消費者の価値観の変容、サステナビリティ経営への要請、生成AIの台頭など、企業の経営環境は目まぐるしく、かつ猛スピードで変化を続けています。
企業は、自社の方向性を明確に定め、それを今まで以上のスピードで具体的な戦略やオペレーションなどに落とし込んでいくことが求められています。こうした変化に対応して、PwCはグローバルの新たな経営ビジョン「The New Equation」を策定しました。多くの企業が求めているのは「Trust」(信頼)、「Sustained Outcomes」(持続的な成長)の2つです。この2つの実現を支援するため、我々自身の組織やサービスを抜本的に見直そうというのが狙いです。
日本のPwCコンサルティングでは、「The New Equation」を定める以前から、自らの変革に関する議論を始め、2021年7月に2023年までの3ヵ年計画を策定し、自らの変革を推進してきました。
この結果、組織やサービスの再編と、クライアントのために最適なサービスをより速く提供できる体制を作り上げ、想定を超える大きな成果をとげることができました。
PwCコンサルティング
Technology & Digital Consulting リーダー
上級執行役員
パートナー
荒井 慎吾氏
長年に渡り、デジタルやIT技術を軸とした企業変革の戦略策定やアーキテクチャ策定からその実現まで、広範な業界の企業に対しEnd-to-Endでの支援を行っている。特に、デジタル戦略、デジタルトランスフォーメーション、新事業、新技術戦略や、企業買収にともなうテクノロジーデューデリジェンスからPMIに関わる支援経験が豊富。
2024年の展望
2024年は、PwCはグローバルの新たな経営ビジョン「The New Equation」を引き続き強力に推進していきます。
クライアントが抱える真の課題は、1つの業界知見や、1つのソリューション、国内だけの視点ではもはや解決できません。こうした現状認識のもと、PwCコンサルティングでは様々な業界知見、ソリューション、グローバルな視点を組み合わせ、組織を横断して意識的にインダストリーやソリューションをつなぐストーリーを作り、Integrated OfferingやIntegrated Solutionとしてまとめています。これらを活用しながら、PwCの専門家が有機的につながりながら、機動力やスピードをもってクライアント企業の変革を支援していきます。
当社は、これまでも様々な先端技術を企業の競争優位の確立や社会実装のために活用してきました。現在注目されている生成AIについては、当社が掲げているAIを活用した経営である「AI経営」をより推進していきます。
また、自分たちだけではなく、大学をはじめ様々な専門機関と協力して多角的な視点から議論や分析を深めていきます。今後は、あらゆる場面で必要に応じて産官学との連携を一層進めつつ、クライアントと一緒になって大きな企業の変革や未来づくりを実現していきたいと思います。
官民を挙げて「CPS」活用サービスを社会実装へ
(マクニカ)
2023年を振り返って
2023年は昨年に引き続き、当社の掲げる6つの新事業テーマに基づき、NEXTAGEとの資本業務提携による植物工場事業への参入、また仏GAUSSIN(ゴーサン)とのゼロ・エミッション自律型モビリティ開発の為の新会社Gaussin Macnica Mobility設立など、CPS(サイバーフィジカルシステム)の社会実装に向けた展開をさらに加速してまいりました。
合わせて、CPSの社会実装の重要性がますます高まっているサイバーセキュリティ分野においても、OTセキュリティ分野でのセキュリティインテリジェンスに関する世界的な企業であるDragosとの契約を行い、安全、安心なDXによる社会課題の解決、持続可能な社会実現に向けての取り組みを着実に進めてまいりました。
マクニカ
代表取締役社長
原 一将氏
1995年、マクニカに入社。世界中の最先端半導体を日本市場に展開するプロダクトセールスを経験したのち、2011年、半導体カンパニーのプレジデントに就任、同時期に車載営業本部長を兼任。2018年にイノベーション戦略事業本部長を務めたのち、2019年に代表取締役社長就任。2021年にネットワーク・セキュリティ事業を担う子会社のマクニカネットワークス株式会社を吸収合併し、事業領域を多岐に広げながらサービス・ソリューションカンパニー実現に向け、グループを牽引している。
2024年の展望
2024年はインバウンド需要の回復に象徴される、人の移動によるさらなる経済活動の活性化が期待される一方で、2024年問題などで顕在化する人口減社会への対応を待ったなしで迫られる年になると考えています。スマートモビリティ、スマートマニュファクチャリングといったCPSを活用したサービスの高度化・効率化が、社会課題を解決する一丁目一番地となり、官民を挙げた社会実装の実現が急務です。
当社は、これまで取り組んできた独自のサービスソリューションの開発および国内外の先端テクノロジー企業とのアライアンスを通じ、実装にこだわり、CPSソリューションとそのセキュリティを確保するためのテクノロジーの提供をすることで持続可能な社会、企業環境の実現に貢献してまいります。
サプライチェーンの強靭化により一層注力した年
(ラック)
2023年を振り返って
2023年は、経済安全保障を基軸にサプライチェーンのありさまが経済活動の維持と発展に直結し、国の発展に欠かせないもの、国力を支えるものであるとの認識が高まりました。その背景のもと、一般企業においてもこの観点での取り組みに拍車がかかるものとしてとらえ、サプライチェーンの強靭化を念頭にお客様の成長を支え、国の発展に寄与できるように事業推進を行ってまいりました。
また、社会のデジタル化の浸透にともない、金融犯罪の蔓延を阻止すべくAIを活用した金融犯罪対策にも本腰を入れてきました。
ラック
代表取締役社長
西本 逸郎氏
サイバーセキュリティ対策のリーディング企業「株式会社ラック」代表取締役社長。プログラマーとして数多くのシステム開発や企画を担当。2000年より、サイバーセキュリティ分野にて新たな脅威への研究や対策に邁進。わかりやすさをモットーに、講演や新聞・雑誌などへの寄稿、テレビやラジオなどでコメントなど多数実施。2017年3月から現職。福岡県出身。
2024年の展望
2023年には、ランサムウェア攻撃によってデータを失った「組織の記憶喪失」と言える事象によって、事業停止という恐怖を体験しました。また、年末には内部不正による大量個人情報持ち出しが原因と推測される「組織的記憶喪失」とも言える苦い経験をしました。2024年は、この2つの「組織的記憶喪失」に対して、セキュリティ企業として改めてしっかり対応できるように推進してまいります。
さらに、国家が背後にいるとされるAPT(標的型攻撃:Advanced Persistent Threat)が発展して起きると考えられる“シン・APT(AI捕食型攻撃:AI-Predator Threat)”や、より巧妙化する“金融犯罪やフェイク”をはじめとする“偽情報”などによる脅威への態勢を構築してまいります。