富士通、東京海上レジリエンス、東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)は、レジリエントなサプライチェーンの構築を目指して協業し、「Fujitsu Supply Chain Risk Visualization Service」(以下、SCRV)を1月25日より提供開始すると発表した。
SCRVでは、顧客のサプライチェーンの把握とリスク評価が可能となり、自然災害などの有事に備えたサプライチェーンの構築とリスク対策の立案、有事の影響把握と意思決定を支援。物流の途絶を回避するための追加費用を補償する東京海上日動の保険が組み込まれており、損害の未然防止を後押しするという。同サービスの特徴は以下のとおり。
- サプライチェーンのリスク可視化・評価による対策立案の支援:登録されたサプライチェーン情報に基づいて、顧客の拠点および取引先の生産拠点、生産品、調達品のサプライチェーンツリーを可視化。拠点情報とハザードマップを地図上で重ね合わせる機能やリスク評価レポートの出力機能により、自然災害リスク情報も可視化
- 有事のアラート発報・状況把握:気象災害や地震災害の発生時に、登録された取引先に被災の可能性がある場合に自動でアラートメールを発報。顧客および取引先が実際の被災状況の情報を入力することで、関係者全体で情報収集と影響把握が可能
- 関係者とのコミュニケーション効率化:システム上で日常的に取引先とのコミュニケーションを取ることができる。顧客および取引先関係者全体で、平時からリスクへの対策状況などの情報収集や、有事の際の被災状況や復旧状況の一元管理を行うことが可能
- 追加物流費用の補償:一定規模以上の被災可能性アラートがSCRV上で発報された際に、顧客がサプライチェーン途絶を回避するために要した追加費用を補償する保険を付帯。具体的には、台風や豪雨などによる浸水/洪水・外水氾濫を見越した製品の早期出荷や迂回輸送にともなう追加費用を補償
- システム基盤へのテクノロジーの活用:SCRVの基盤として、「Microsoft Azure」を活用。堅牢性と拡張性を実現
3社は今後、SCRVの高度化に向けて、可視化するリスクの対象拡大や顧客の基盤システムとの連動など、機能拡充を実施していくとともに、グローバルでの展開も検討するとしている。
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