インフォマティカは、企業の生成AI導入状況やデータ戦略に関するグローバル調査レポート「CDO Insights 2024: Charting a Course to AI Readiness(CDOインサイト2024:世界中の600人のCDOから導いたAI対応の課題と解決策)」を発表した。
調査概要
- 対象者:CDO(最高データ責任者)、CAO(最高分析責任者)、CDAO(最高データ分析責任者)
- 対象人数:600人
- 期間:2023年10月
- 調査地域:日本、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、シンガポールを含む11ヵ国
生成AIの導入状況に関する質問に対して、約4割の企業(日本:38%、世界全体:45%)が既に導入済みであると回答。日本では38%の企業が今後2年以内に導入を予定しているとした。
生成AIの導入手法として、過半数の企業(日本:57%、世界全体:57%)がサードパーティーの大規模言語モデル(LLM)を使用したプロンプトエンジニアリングを採用。また、約半数の企業がオープンソースLLM(日本:48%、世界全体:51%)または検索拡張生成(RAG:Retrieval-Augmented Generation、日本:48%、世界全体:48%)の導入を検討または実施しているとした。一方で、公開されているLLMのファインチューニングやカスタマイズを行っている企業は日本で19%、世界全体では43%であったとしている。
2024年のデータ戦略において、最も多くの企業が優先事項として挙げたのは、生成AIに適したデータの取得(日本:43%、世界全体:39%)およびデータやデータプロセスにおけるガバナンス(日本:43%、世界全体:38%)であった。
また、データ戦略を実行する上での課題として、日本では62%の企業が「データリテラシー不足」、52%が「事業部門をまたいだ協力や連携の不足」を挙げている。
生成AIやLLM導入におけるデータ課題に関する質問では、52%の日本企業がデータプライバシー・保護、そしてドメイン固有のLLM学習・ファインチューニング用データの収集を最大の課題とした。一方で、データプライバシー・保護をデータ戦略の効果測定指標としている企業は、日本だと19%程度であった。
さらに、データ品質の向上をデータ戦略のKPIとしている日本企業は29%であり、世界全体の40%と比較しても低い割合だという。加えて日本では、62%の企業が1,000以上のデータソースを扱っており、同社はデータの重複や不整合、形式のずれなどが生じやすいという課題を指摘している。
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