SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

EnterpriseZine Day 2024 Summer

2024年6月25日(火)オンライン開催

予期せぬ事態に備えよ! クラウドで実現するIT-BCP対策 powered by EnterpriseZine

2024年7月10日(水)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

情シスの知恵

中途入社100%のSmartHR、毎月のオンボーディングを効率化するために情シスが取り組んでいること

即戦力を即戦力にするために、連携と最適化のサイクルで乗り切る

 DXに注目が集まる現在において、情シスが担う業務は増大傾向にあります。少しでも業務効率化につながるヒントを探してはいないでしょうか。いわゆる「非競争領域」が多い情シスの業務は、“おとなり”の情シスが工夫していることを取り入れたり、参考にしたりすることができるはず。そこで新連載「情シスの知恵」では、情シスの実務者が自社で工夫している点や業務効率を上げるポイントを寄稿してもらい、明日からマネできるようなちょっとしたTipsを紹介します。

 SmartHRでは正社員だけでも毎月30人近くが入社しています。その新入社員を受け入れる「オンボーディング」は情シスだけでなく、各部門の受け入れ担当者が関わり、入社前から入社直後、そしてその先にも続くものです。SmartHRでは、中途入社の社員が1日も早く専門性を100%発揮するために、オンボーディングを「即戦力を即戦力にするプロジェクト」と捉えています。本稿では、その成功のために当社が実践していることを紹介します。

*    *    *

受け入れ部門との連携、継続的なサポートで自律駆動を支援

 まずは入社前の受け入れ準備から見ていきましょう。業務で使う端末のキッティングは面倒な作業の一つ。できるだけ業務効率化したいものです。通常、手作業でキッティングする場合、必要な設定項目にも左右されますが、最低でも1台あたり約30分はかかるでしょう。主にMacを使用している当社では、デバイス管理ツールの「Jamf Pro」を活用した「ゼロタッチキッティング」という仕組みを用いて自動化しています。

 キッティング内容とオンボーディングの要件次第では、情シスが箱から端末を出すことなく、新入社員自らが進めることも可能となります。情シスでの作業がある場合も、作業者の対応としては端末の起動とネットワーク接続、終了時の確認や梱包だけで済み、アプリケーションのインストールなどは自動化。そのため、キッティングにかかっていた時間を削減できています。

 また、業務で利用するクラウドサービスのアカウント発行や権限付与には、Oktaを採用し、業務を簡素化しています。具体的にOktaを起点として、連携サービスのアカウントや権限を作成し、設定できるプロビジョニングという仕組みを活用。キッティング自動化と同様にサービスごとにアカウント発行する手間を減らしています。さらに、シングルサインオンにより、利用者はサービスごとのIDやパスワード管理といった煩わしさから解放されますし、情シスにとってはパスワードリセットなどの業務を減らすことができています。

 入社前の準備ではキッティングのほかにも、職種や配属ごとに必要となるものが異なります。そのため、新入社員に関する情報を集約し、受け入れ部門間で情報連携することが重要です。当社では、横断的な情報連携のための受け入れ専用のSlackチャンネルがあります。そこで受け入れタスクを共有し、担当者間での連携を効率化しています。担当者が変わった場合でも対応できるよう、ナレッジとして蓄積しています。

 入社後には、業務で必要となる端末やサービスのオリエンテーションをハンズオン形式で実施。セキュリティについては規程類を前提としながら、「業務効率、スピードを落とさない、セキュリティレベルも下げない」を基本方針に、普段の業務で意識するポイントから、具体的なセキュリティ対策の説明や設定までを一通り行います。

 オリエンテーション後もIT関連のサポートは継続して行います。当社では、内製開発したシステムを利用してヘルプデスク対応も効率化しています。具体的には、Slackにインストールされた内製アプリからフォームを立ち上げて問い合わせると、チケット管理システムに連携され、ヘルプデスクの担当者を自動割り振りし、Slackの専用チャンネルにて、質問者と担当者をメンションして問い合わせ内容が自動投稿されるという仕組みです。合わせてチケットの状態確認などをして、運用側の負担軽減も行っています。

画像を説明するテキストなくても可

イメージ図

[クリックすると拡大します]

 投稿内容はほぼすべての社員が閲覧可能な状態にしています。研修や制度に関する情報、利用サービスの説明や操作マニュアルといったヘルプデスクによく届く質問は、ストック情報としてすぐに参照できる状態です。新入社員が見つけやすいことはもちろん、既存社員も自身が直面している課題を自律的に解決できるようにしています。また、ヘルプデスク担当者が過去の類似の問い合わせを参考するときにも役立っています。

次のページ
不確実性に対応する“見直しサイクル”

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
この記事の著者

小石 龍馬(コイシ リョウマ)

株式会社SmartHR 情報セキュリティ本部 情報システム部2019年11月にコーポレートエンジニアとして入社後、社内システムの開発~運用全般に従事。2020年よりコーポレートITを担当。現在は1000人規模のフェーズに対応するため、
内製システム、SaaSの活用・連携を強化したプロセス改善を推進している...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/19593 2024/05/23 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング