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2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

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IT投資の大幅増加は1割に、楽観視する日本企業が増加か──Autodeskの年次調査をひも解く

『2024年度版 デザインと創造の業界動向調査』から考える、DXとAI活用

データ保護とAI活用、企業のジレンマを解消する「Autodesk AI」

 Autodesk AIは、ワークフローを自動化・拡張するAI機能の総称であり、リアルタイムでの解析機能や機械学習はもちろん、図面のマークアップを修正できる「マークアップ アシスト」などが含まれる。以前から製品内で提供していたAI機能を“業界横断”で活用できるように拡充している形だ。加藤氏は「現在、AIは一部製品や機能に搭載されていますが、将来的にはすべての製品でAIを使えるように計画しています」と説明する。

 同社が従来からAIを組み込んできた大きな狙いは、業務効率化だ。建設現場での廃材や梱包材の削減もその1つだという。Autodesk AIは、迅速かつ低コストでの業務遂行を可能にしつつ、品質向上や環境問題への対応も実現する。その上で、データが持つ潜在能力を最大限に引き出し、新たな価値創造につなげていく。

 たとえば、製造業向けのAutodesk Fusionでは、自動図面作成機能がある。3次元設計が主流になっても、コミュニケーションには図面が必要であり、間違いが起きないように一定のルールを守りながら図面を引かなければならず、時間やリソースがとられてしまう。そこで、自動図面作成機能により3次元形状から自動的に図面を生成でき、部品単位だけでなく、アセンブリ全体の図面も起こしてくれる。これにより、設計者の時間を大幅に節約し、業務効率化につながるという。

 また、同社が提供する各種解析やシミュレーションツールにもAIを用いている。たとえば、ある開発区域(分譲地、工場や教育施設など)においてゲリラ豪雨などの降雨を想定し、浸水リスクを短時間で把握するための洪水シミュレーションにAIを搭載している。このように、一定の区域における浸水リスク評価にAIを用いることで、ミクロでの効率的な評価を実現している。

 このようにAIは多様なシーンで活用できるようになってきたが、気になるのはセキュリティだろう。先述の調査結果にもあったように、AIが不可欠になるとわかっている一方、特に日本企業はデータセキュリティを重視する姿勢を示している。そこで、オートデスクは、米国国立標準技術研究所(NIST)の米国人工知能安全研究所コンソーシアムと協力し、科学的根拠に基づき実証的に裏付けられたAIの測定と政策に関するガイドラインと基準を策定し、世界中の“AIの安全性”の基盤を構築。フロンティアモデルから、新しいアプリケーションやアプローチに至るまで、次世代のAIモデルやシステムの能力に適切なリスク管理戦略で対応できるようになる。

 最後に加藤氏は、「DXには完成形がないため、今できる部分から少しずつ取り組み、効果検証を積み重ねながら次のステップに進んでいくアプローチを推奨しています。AIの活用も同様です。当社には、グローバルで培ってきた知見や経験があり、世界各国地域の情報を収集・提供することはもちろん、業界を横断したソリューションも提案できます。ぜひ、各業界における長年の協力関係に支えられてきた、われわれの製品・ソリューションをお試しください」と自信を見せた。

DX、データ/AI活用のヒントに『デザインと創造の業界動向調査』

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森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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