日本電信電話(NTT)は、AIをグループ各社が活用する基本的な方針として、新たに「NTTグループAI憲章」などの規程類を制定した。
同規程類に基づき、グループ一体となってAIリスクマネジメントに取り組むとともに、AIに関する最高責任者のCo-Chief Artificial Intelligence Officer(以下Co-CAIO)を配置し、AIガバナンスを推進するためAIガバナンス室を新設するという。
NTTグループのAIリスクマネジメント
リスクマネジメントの手法には、広島AIプロセスをはじめ国際社会で広く採用されているリスクベース・アプローチを採用するとしている。
- AIリスクの定義:AIの不適切な利用による社会的批判を受けるリスクや、法令違反による制裁金リスクなど、NTTグループのAI利用に伴うリスクを、ユースケースごとに「禁止レベル」「ハイリスク」「限定的リスク」に分類し、グループ内で統一
- AIリスクの評価:上記のAIリスク定義に基づき、AIプロジェクトマネージャと所属会社のAIリスクマネジメント責任者がリスク評価を2重に行うことで、評価の精度を担保
- AIリスクの対応:禁止レベルと評価されたAIプロジェクトは、AI利用方法を大きく見直すと。禁止レベル以外の評価については、各社のAIリスクマネジメント責任者がプロジェクトのリスク低減をフォローし、リスクに応じた適切な対処を行いプロジェクトを推進
NTTグループのAIガバナンス
国際社会や日本政府の法規制・ガイドラインを参照し、NTTグループ全体でAIリスクを共通的に定義し管理するためにAIガバナンス規程類を制定したという。
- NTTグループAI憲章:NTTグループおよびその社員が常に意識し心がけておくべき基本的な方針
- NTTグループAIガバナンスポリシー:AIの適切な利用を推進するために、AI リスクを共通的に定義し、どのようにAIガバナンスの仕組みを整備・運用していくかを定めたポリシー
- NTTグループ生成AI利用ガイドライン:生成AI利用リスクの発生を抑止し、積極的な生成AI利用と価値創出を推進するために、NTTグループ各社で共通に認識すべき具体的なリスクとその対策の考え方を示したガイドライン
AIガバナンス推進体制
適切なAI利用の推進と、AIリスクへの対応を統制するリーダーシップを担保するために、Co-CAIOを配置。また、Co-CAIOを補佐しNTTグループのAIガバナンス規程類の整備、改訂を推進し、グループ会社のAIリスクマネジメント状況のモニタリング・評価を行うAIガバナンス室を設置するという。各グループ会社には、AIリスクマネジメント責任者を定め、AIプロジェクトのリスク評価、リスク低減のフォローを実施。Co-CAIO、AIガバナンス室、各グループ会社のAIリスクマネジメント責任者が協力し、NTTグループの適切なAIリスクマネジメントとAIガバナンスを推進していくと述べている。
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