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明治が「2025年の崖」を完全克服──着手から4年で脱メインフレームできた“国内初”の挑戦を振り返る

モダナイズで年間費用を80%削減。新基盤でデータドリブン経営の実現に向かう

 2024年6月25日、EnterpriseZine編集部主催のオンラインイベント「EnterpriseZine Day 2024 Summer」が開催された。特別講演「“国内初事例”にチャレンジした明治の脱メインフレーム ~年間維持コスト80%ダウンを実現~」では、明治ホールディングス(以下、明治HD)が最新技術を用いてメインフレームのレガシー資産をモダナイズし、クラウド環境へと移行した事例の紹介が行われた。

メインフレームからの完全脱却を決意

 明治では、これまで30年間以上にわたって主にメインフレーム上で各種業務アプリケーションを開発・運用してきた。2000年以降、少しずつ一部機能のオープン化やWeb化を進めてはいたが、基本的にはメインフレームに大きく依存したシステム運用を続けていた。

 しかし、明治HD 執行役員 グループDX戦略部 管掌の古賀猛文氏によれば、2020年ごろからレガシー資産を運用し続けることによる弊害が目立つようになってきたという。

 「経済産業省が発表したレポートの中で、企業がレガシー資産を運用し続けることによる弊害を『2025年の崖』と表現していますが、弊社もご多分に漏れずこのケースに当てはまっていました。メインフレームのCOBOL資産をメンテナンスできる人材はこれからどんどん減っていきますし、これまで30年間以上に渡ってシステム改修を繰り返してきたことで処理が複雑化し、ますますメンテナンスや改修が困難になっていました

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明治ホールディングス 執行役員 グループDX戦略部 管掌 古賀猛文氏

 メインフレーム以外にも、オープン系技術で新規構築したシステムやクラウドアプリケーションなどの利用も徐々に増えてはいたものの、メインフレームとのデータ連携が難しかったため、データ利活用の推進が思うように進んでいなかった。

 保守運用コストも右肩上がりで増え続けており、他のコストパフォーマンスに優れるプラットフォームに乗り換えようにも、特定ベンダーのメインフレーム技術にロックインされてしまっていたため、なかなかコストを減らすこともできなかった。

 そこで同社はこれらの課題を根本的に解決し、「2025年の崖」の危機からの脱却を図るとともに、DXの取り組みをさらに加速させるべく「メインフレームからの完全脱却」を目指すことにした。

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15,000処理を棚卸し、モダナイズすべき領域を明らかに

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/20061 2024/07/25 09:00

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