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明治が「2025年の崖」を完全克服──着手から4年で脱メインフレームできた“国内初”の挑戦を振り返る

モダナイズで年間費用を80%削減。新基盤でデータドリブン経営の実現に向かう

15,000処理を棚卸し、モダナイズすべき領域を明らかに

 まずは全部で約15,000あったメインフレーム処理をすべて棚卸し、以下の3種類に分類した。

  1. ビジネス環境の変化に素早く対応すべきアプリケーション
  2. 基幹システムなど非競争領域を担うアプリケーション
  3. ビジネスロジックの変更を予定していないアプリケーション

 上記のうち1. は、クラウドサービスやパッケージ製品を導入したり、ローコード・ノーコード開発ツールを用いて一から再構築することにした。

 2. については、完全に非競争領域に当たる部分についてはパッケージ製品を適用する一方、パッケージでは対応が難しい独自業務を担う領域については、現行のメインフレームのロジックを引き継ぎつつモダナイズすることとした。同じく3. についても、現行のメインフレーム資産を引き継ぎながら刷新することで、最小限の手間でメインフレームから脱却する方針とした。

 モダナイズの対象となるシステムは、大きく2つのタイプに分類。1つは販売系基幹システムで、ビジネスロジックは基本的に従来のものをそのまま引き継ぐが、データについては今後様々な場面で利活用を進めたいため、データとプログラムの構造を大幅に見直して再構築することにした。

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 具体的には、これまでメインフレーム上で業務領域ごとに個別にアプリケーションを開発・運用していたやり方を改め、すべてのアプリケーションで単一の大福帳データベースを共有するアーキテクチャへと再設計した。プログラムロジックについても、これまでアプリケーション同士で重複した処理を実装していた状態を改めるとともに、機能単位に部品化することによってメンテナンス性の向上を図った。

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 こうして2024年2月、オープン系技術を用いて再構築した販売系基幹システムが本番稼働を開始。その結果、早くも様々な面で効果が現われつつあると古賀氏は話す。

 「メインフレームから脱却できたことで保守人員を大幅に減らすことができ、アーキテクチャを見直したことでシステムの保守性も向上しました。また、外部システムとデータを連携しやすくなったことで、データ利活用の可能性も大きく広がりました」

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日本企業で前例のない手段を選んだワケ

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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