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EnterpriseZine Day 2024 Summer レポート

明治が「2025年の崖」を完全克服──着手から4年で脱メインフレームできた“国内初”の挑戦を振り返る

モダナイズで年間費用を80%削減。新基盤でデータドリブン経営の実現に向かう

日本企業で前例のない手段を選んだワケ

 一方、モダナイズ対象システムのうち、販売系基幹システム以外のものについては、基本的にはメインフレームのプログラム・データ構造を維持したまま、できるだけ効率的にオープン系プラットフォームへ移行できる方法を模索することにした。具体的には、現在多くのベンダーから提供されている「メインフレーム資産をオープン系システムへと自動的に変換するツール」を使った移行の可能性を探ることにした。

 早速、主だった変換ツールの比較検討を行ったが、最終的に同社が選定したのがAWS(Amazon Web Services)が提供する「AWS Mainframe Modernization」だった。これはメインフレームのCOBOLやPL/I、JCLの資産を、AWSプラットフォーム上で稼働するJavaベースのアプリケーションへと自動的に変換するというもの。当時まだ日本国内での導入事例はなかったものの、他の製品と比べ様々な点でメリットを見出したという。

 「他社の製品と比べ、プロジェクトの期間とコストを圧縮できる点を高く評価しました。また他の製品は、変換ツールで対応できなかった点を個別に修正する必要があり、修正履歴の管理が煩雑になると考えられました。しかしAWS Mainframe Modernizationは、修正が必要になっても変換ツールですべて再変換を行うため、修正箇所を個別に管理するための工数を大幅に削減できます」

 こう語るのは、明治HD グループDX戦略部 業務1グループ長の河合利英氏。これらのメリットに加え、変換後のシステムをAWSのクラウド基盤上で稼働することができ、プログラムだけでなくインフラも同時にモダナイズできることにも大いに惹かれたという。こうした点が決め手となり、最終的にAWS Mainframe Modernizationを使ってメインフレーム資産のモダナイズを行うことになった。

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 実際のモダナイズ作業にあたっては、国内初の事例ということもあり、AWSジャパンのプロフェッショナルサービスによる手厚いサポートを受けることができたという。またフランスに拠点を置くAWSの技術部隊とも密接にやりとりを行いながら作業を進めたと振り返る。

 その結果、2024年4月から、移行作業を終えたアプリケーションが順次稼働を開始しており、同年6月中にはすべての移行作業を終えて旧メインフレーム環境をすべて停止できる見込みだという。

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明治ホールディングス グループDX戦略部 業務1グループ長 河合利英氏

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脱メインフレームで、データドリブン経営への道が拓く

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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