Blue Prismは2024年7月26日、同社が提供する製品「SS&C|Blue Prism Chorus BPM(以下、Chorus)」を国内で販売開始すると発表。記者発表会にて、その経緯や導入事例について説明した。
Chorusは、Blue Prismの親会社であるSS&C Technologiesが開発・提供してきた、ビジネスプロセスを統合・管理し業務プロセスを自動化するプロセスオーケストレーション製品。2023年3月にBlue PrismがSS&Cのグループ企業となったことから、ChorusはSS&C Blue Prismの製品となったという。RPAとBPMを組み合わせ、人とデジタルワーカーのコミュニケーションが容易に行える環境を提供するとしており、従来のRPAによる点の自動化から、インテリジェントオートメーションによる面の自動化への変革を支援するとのことだ。
Chorusを日本で提供する経緯について、SS&C Technologies インテリジェントオートメーション・レギュラトリー・データリスク事業部門のMichael Megaw(マイケル・メガウ)氏は「Chorusを実際に社内で活用し、開発プロセスにおける時間短縮や生産性の向上に成功したことから、日本での提供も開始した」と語った。
また、Blue Prism 社長の長谷太志氏は日本市場の動向について、DX推進におけるビジネス部門とシステム部門でのギャップが課題の1つであるとし、Chorusはそこに貢献できるプラットフォームだと説明した。
米国での提供からスタートしたChorusは、既に金融・ヘルスケア・保険会社などで使用されており、月間アクティブユーザーは30万以上だという。同発表会では、アプラス 執行役員 オペレーション本部長の小針かおり氏とアプラス オペレーション企画部 次長の野田毅氏が登壇し、Blue Prism製品の導入事例を紹介した。
アプラスは、2021年にSBI新生銀行グループの一員になった総合信販会社。同社では、法規制の改定に基づきプロントシステムと審査系システムの立ち上げ、勘定系システムの改修を重ねた結果、一部システム関連の分断が発生したと小針氏。分断を補完するために個別システムが増加し、その結果、業務プロセスの複雑化、オペレーションの負荷の増加といった課題が起こり、それらの解決に向け2017年にクライアント型RPAの導入に至ったとのことだ。その後2020年に、Blue Prismによる個別作業の自動化を推進したとしている。
現在は、Chorusの導入を試みBlue Prismと共同でPoCを進めているという。野田氏はChorusに期待する点として、「プロセス単位の処理件数や処理時間の分析ができること、分析によりオペレーションの組み換えがChorus上でできること、人とデジタルワーカーの対話が可能な環境を提供できること、アプラス提供のサービスの機能をChorus上で定義できること」などを挙げた。
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