大量輸送機関から「顧客中心」へ変革を進めるJR西日本
2001年にJR西日本へ入社した宮崎祐丞氏。最初は土木エンジニアとして同社でスタートし、現在はマーケティング本部の次長を務めるという異例のキャリアを歩んできた。その過程で、AI・IoTやビッグデータを活用した鉄道オペレーションの最適化に取り組み、「人口減少に備えた鉄道の保守オペレーション最適化」を志向してきたという。
JR西日本は現在、長年の鉄道事業から備わっていた「大量輸送機関」という従来のマインドから、「良い体験を確実に届ける」という顧客中心視点のマインドへと転換を図っている。この変革を実現するため、同社はTRAILBLAZERというデジタル機能子会社を設立。宮崎氏はこの取締役も務めており、本体とはまったく異なる給与テーブルの制度やカルチャーを用意して、デジタル人材の確保に取り組んでいるという。
数々のデータ活用を実践してきたメルカリ
メルカリで執行役員 CTOを務める木村俊也氏は、2017年の入社以前はミクシィで長年勤務しており、データ活用とデータドリブンの意思決定をリードしてきた経験を持つ。データ活用にはインフラコストや人件費がかかるものだが、「ビジネスの成功確率を高めるためには、惜しみない投資を行う価値がある」というのが同氏の考えだ。
顧客ニーズやマーケティング効果の正確な把握にはデータの可視化が不可欠であり、感覚ではなく「データに基づく筋道の立った意思決定」の重要性を木村氏は説いた。機械学習(ML)やAIの活用も推進しているメルカリ。これまでも、レコメンデーションエンジンの構築や違反検出、クーポン最適化など、多岐にわたるデータ活用施策を実践してきた。最近は、大規模言語モデル(LLM)の活用に特に注目しており、同社の重要なミッションとなっていることを明かした。