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【JR西日本×メルカリ】歴史・業種・文化の異なる2社のデータ活用キーマンが対談!自社の課題を語り合う

DB TECH SHOWCASE 2024 レポート

 2024年7月11日、12日に開催された、インサイトテクノロジー主催のイベント「DB TECH SHOWCASE 2024」。本稿では、その中のセッション「【JR西日本×メルカリ】日々膨大なデータと格闘する2社が語る ‐ DX成功のカギと残る課題とは ‐」で語られた内容をレポートする。西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)とメルカリという、それぞれ業種や文化、歴史の大きく異なる2社でデータ活用を推進するキーパーソンが登壇し、それぞれの立場から「膨大なデータの有効活用」という共通点を軸に、レガシーシステムとの共存、データガバナンスの確立、組織文化の変革など、自身の取り組みと課題を語り合った。

大量輸送機関から「顧客中心」へ変革を進めるJR西日本

 2001年にJR西日本へ入社した宮崎祐丞氏。最初は土木エンジニアとして同社でスタートし、現在はマーケティング本部の次長を務めるという異例のキャリアを歩んできた。その過程で、AI・IoTやビッグデータを活用した鉄道オペレーションの最適化に取り組み、「人口減少に備えた鉄道の保守オペレーション最適化」を志向してきたという。

 JR西日本は現在、長年の鉄道事業から備わっていた「大量輸送機関」という従来のマインドから、「良い体験を確実に届ける」という顧客中心視点のマインドへと転換を図っている。この変革を実現するため、同社はTRAILBLAZERというデジタル機能子会社を設立。宮崎氏はこの取締役も務めており、本体とはまったく異なる給与テーブルの制度やカルチャーを用意して、デジタル人材の確保に取り組んでいるという。

数々のデータ活用を実践してきたメルカリ

 メルカリで執行役員 CTOを務める木村俊也氏は、2017年の入社以前はミクシィで長年勤務しており、データ活用とデータドリブンの意思決定をリードしてきた経験を持つ。データ活用にはインフラコストや人件費がかかるものだが、「ビジネスの成功確率を高めるためには、惜しみない投資を行う価値がある」というのが同氏の考えだ。

 顧客ニーズやマーケティング効果の正確な把握にはデータの可視化が不可欠であり、感覚ではなく「データに基づく筋道の立った意思決定」の重要性を木村氏は説いた。機械学習(ML)やAIの活用も推進しているメルカリ。これまでも、レコメンデーションエンジンの構築や違反検出、クーポン最適化など、多岐にわたるデータ活用施策を実践してきた。最近は、大規模言語モデル(LLM)の活用に特に注目しており、同社の重要なミッションとなっていることを明かした。

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なぜ“レガシー企業”がデータ活用に目覚めたのか

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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