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人事だけではないワークデイ、ERPベンダーとしての成長の軌跡 内製化で進めるAI/ML戦略の効用は

ワークデイ Head of Presales, Japan 藤田周氏に尋ねる

 HCM(Human Capital Management)というソフトウェア市場を創り出したことで知られるワークデイ。創業以来、リーダーとして市場を牽引してきたため、「ワークデイといえば人事」のイメージが強いが、近年はクラウドERPベンダーとしてグローバル市場でのプレゼンスを確立している。今回、同社 Head of Presales, Japan 藤田周氏に、これまでの成長の歩みとAI戦略について聞いた。

単一のデータモデルで実現した、「ファイナンス」「HCM」「統合計画とマネジメント」

ワークデイ株式会社 Head of Presales, Japan 藤田周氏
ワークデイ株式会社 Head of Presales, Japan 藤田周氏

 2005年の創業以来、クラウドネイティブの企業として成長してきたワークデイ。HCM製品を提供していることで知られるが、HCM専業の企業ではない。2006年のHCMアプリケーションの後、2007年にはファイナンスアプリケーションをリリースしている。創業者は当初から「ERPとは、ヒトとカネの情報を一元的に管理するものであるべき」と考え、HCMとファイナンスの両方を提供する構想を描いていた。2017年には、Workday Cloud Platformを立ち上げ、2018年にはプランニングアプリケーションのAdaptive Insightsを買収し、ポートフォリオを拡充させてきた。

 現在、「HCM」「ファイナンス」「プランニング」の3つを柱に、ユーザー数にして約7000万人がWorkdayを使っている。提供機能もHCMでは、コア機能からリクルーティング、ラーニング、タイムトラッキング、給与計算まで、ファイナンスではコア機能からプロジェクト管理、経費管理、調達管理、在庫管理までを網羅している。図1の中央にあるようにプランニングでは、計画機能とHCM、ファイナンスのデータを分析するBI機能を備えている。

図1:ワークデイの製品ポートフォリオ 出典:ワークデイ
図1:ワークデイの製品ポートフォリオ
出典:ワークデイ
[画像クリックで拡大]

 この仕組みを成立させているのが、「単一のデータモデル」「単一のセキュリティモデル」という特徴である。HCMとファイナンスのデータがクラウドプラットフォーム上で1つにつながっており、Workdayの各アプリケーションが共通のデータを利用する設計になっている。また、セキュリティの権限やワークフローの設定を一元的に管理しており、日本企業で見られるような4月や9月の定期人事異動における設定変更の手間も減らすことができる。

 これがオンプレミスのアプリケーション製品であれば、変更範囲を調べるためにすべての項目を見直し、設定変更のテストを行うところまで慎重に行わなければならない。これではプロジェクトの立ち上げが必要になってしまう。さらに、管理項目をカスタマイズで増やしている場合、もっと複雑になる。ひいては運用コストの増大を招くことになる。だが、Workday導入企業の場合はこの負担がない。導入企業の中には、Workday導入前と後で運用コストが半分になったところもあるぐらいだ。この設計は、「オンプレミス全盛期に買収製品を組み合わせて1つのスイートにした他社製品と、クラウド上にゼロから構築した製品との大きな差別化要素になっている」と藤田氏は解説した。

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内製化を基本方針に進めてきた、AI/ML機能の実装

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

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