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Salesforceが掲げた「Agentforce」、頭脳である“Atlas推論エンジン”の存在感

Dreamforce 2024で明かした、AIエージェントたる理由とは

 米セールスフォースは現地時間9月17日~19日、サンフランシスコにて年次カンファレンス「Dreamforce 2024」を開催した。初日のメインキーノートで、同社 会長 兼 CEOのマーク・ベニオフ氏自らが「Agentforce」を発表している。本稿では、2日目の「Agentforce Keynote: Build the Future With AI Agents」の内容を基に、イベントのテーマでもあり、発表の目玉となったAgentforceがどのように動作するのかを解説する。

「Agentforce」の裏側を支える、Atlas推論エンジン

 初日のメインキーノートに登壇したクララ・シャイ氏(Salesforce AI CEO)は、セールスフォースが考えるAIエージェントとは、下記5つの要素を満たしたものであると説明した。

  1. 役割
  2. データ
  3. アクション
  4. チャネル
  5. 信頼&セキュリティ

 このうち、データを基にアクションを実行するまでの過程を、“人間と同様”に行うのが「Atlas推論エンジン」である。

 講演のホストを務めたアダム・エヴァンス氏(Salesforce AI Platform Cloud担当SVP)は、「Atlas推論エンジンは、Agentforceの頭脳に相当する」と説明した。Atlas推論エンジンは、タスクを完了するためにどのようなアクションが必要なのか、どの順番で一連のアクションを実行するべきか……人間の思考や計画を模倣するように設計されているという。

 その推論プロセスは、ユーザークエリの文脈を解釈することから始まる。その結果を踏まえた上で、クエリに対して最も関連性の高いデータを検索・取得する。その後、得られたデータを基にアクション実行の計画を策定。一連のアクションを実行し、タスクが完了すると、その計画の妥当性を評価し、次の類似クエリが発行されたときに備えて改良するというものだ。

図1:Agentforceで頭脳の役割を果たす「Atlas推論エンジン」出典:セールスフォース
図1:Agentforceで頭脳の役割を果たす「Atlas推論エンジン」
出典:セールスフォース
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 エヴァンス氏は、オンラインで注文した商品がまだ届いていない場合を例に、Atlas推論エンジンの仕組みを説明した。

 このような状況に直面した顧客は、カスタマーサポートに連絡し、問題に対処したいと考えるだろう。そして、エージェントとのやり取りは、顧客が名前と注文番号を伝えるところから始まる。このときAIエージェントは、人間のエージェントと同様に、連絡してきた人の「顧客プロファイル」や「注文履歴」のデータを参照し、該当する「注文番号を得る」というアクションを実行。そこで「商品在庫」のデータを参照し、結果を示す。さらに「企業ポリシー」のデータを参照し、対応方針の検索を行う。

図2:Atlas推論エンジンが参照するデータと実行するアクションの例
図2:Atlas推論エンジンが参照するデータと実行するアクションの例
出典:セールスフォース
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 このとき問題となるのは、注文した商品が届いていない場合の原因と、実行すべきアクションのバリエーションが無数に考えられることだ。

 たとえば、原因は在庫切れではなく、輸送中だからかもしれない。荷物の紛失、盗難の可能性もあり得るだろう。従来は、考えられる対話と処理フローのすべてをコードで記述しなくてはならず、新しい対話が出てくるたびにコード追加を強いられていた。しかし、Agentforceでは、裏で動くAtlas推論エンジンの働きによって、AIエージェントがタスクの実行に必要なデータを得て、人間に代わって自律的な顧客対応ができるという。

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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