日立システムズは、保守業務に生成AIを適用し、実用化を開始した。
【ステップ1】日立システムズの保守業務への生成AI適用について
日立システムズは保守業務の技術継承、業務効率化、人的ミス防止などの課題に対応していくため、生成AIを適用。人もITも進化することで、これまで以上に保守業務を効率化するという。
具体的には、日立システムズの保守エンジニアが持つスマートデバイス内の保守アプリケーションに生成AIを適用し、技術を継承、業務を効率化。作業前に手順や危険ポイントを洗い出して一覧化するチェックシートの自動作成、保守現場で起こり得るミス・事故を写真から予測する現地KY(危険予知)の自動化、熟練の技術を参照できるAIテクニカルサポート、報告書の自動作成などを生成AIによって実現するという。
これにより、熟練技術者の持つノウハウを若手技術者に継承し、品質を底上げするとともに1,100時間以上/月の時間削減効果を見込んでいるとのことだ。
【ステップ2】日立グループの保守業務への生成AIを活用したノウハウの提供について
日立グループには、OT機器などIT機器とは異なる保守業務を行うグループ会社があり、それぞれの業界における専門性はあるものの、保守業務における共通的な業務が課題だという。保守業務を行うグループ会社間では、これらの共通の課題についてこれまでも情報交換をしており、その一貫として生成AIの活用も連携を進めてきたとしている。
今後、社会インフラ分野における様々な設備や機器の保守サービスを提供する日立パワーソリューションズと連携して、OT機器などIT機器とは異なる保守業務にて、生成AIによる効率化の有効性検証を行うとのことだ。
【ステップ3】保守業界全体に向けた日立グループ保守ナレッジのサービス提供について
日立グループ各社の保守業務効率化において獲得したナレッジは、共通業務の効率化に加え、様々な業界の専門性を反映したナレッジである。このナレッジと同社の基盤サービス(マネージドサービスなど)を組み合わせて主に中小の保守ベンダー向けに提供することで、DXに着手できていないベンダーも容易に技術継承・効率化ができるよう支援するという。
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