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アイデンティティ新標準「IPSIE」はこれまでのSSO認証基準と何が違うのか? Oktaに聞く

Okta CSO Brett Winterford氏/Bill Hustad氏 インタビュー


日本市場でのセキュリティシフトとアライアンス戦略

 新たなセキュリティ標準「IPSIE」によるアイデンティティ管理とセキュリティ対策を最大限活用するためには、市場ごとの特性に応じた戦略的展開も不可欠となる。とりわけ日本市場ではセキュリティに対する独自の課題がある。その具体的な展開について、Oktaグローバルパートナーおよびアライアンス責任者 ビル・ヒュースタッド(Bill Hustad)氏に語っていただいた。

Okta シニア・バイス・プレジデント(SVP)ビル・ヒュースタッド(Bill Hustad)氏
Okta シニア・バイス・プレジデント(SVP)ビル・ヒュースタッド(Bill Hustad)氏

ヒュースタッド氏:日本市場においては、主に3つの分野に注力しています。1つ目はディストリビューターネットワークの拡大です。現在、日立ソリューションズ、マクニカ、SB C&Sの3社と提携し今後はこれらのディストリビューターとの連携を確立し、東京以外の地域にも拡大していく計画です。

 2つ目の分野は、Customer Identity Cloudビジネスの拡大です。2021年にOktaがAuth0を買収して以降、それまでの従業員向けのID管理に加え、企業のITサービスの顧客アイデンティティ分野を拡大してきました。現在でもかなりの開発者ベースのパートナーがいますが、今後さらにそのようなパートナーを増やしていきたいと考えています。

 最後に、セールスパートナーの拡大です。たとえば、顧客基盤に対するバリュープログラムを展開し、ガバナンスの観点からソフトウェアの利用状況を可視化して最適化を支援するといったものです。

──アイデンティティ管理だけでなく、日本市場でもセキュリティ面でニーズ増加がありますね。それについてパートナー政策をどう見られていますか?

ヒュースタッド氏:私たちには信頼性の高いコンサルティングとテクノロジーパートナーがおり、日本市場でも導入支援サービスやコンサル業務全般まで幅広く対応しています。たとえばパートナーとしてアクセンチュアとの連携があります。またNTTデータや伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)による、それぞれのお客様へ最適化されたソリューション提供体制があります。

 これらのパートナーとの協力関係によって、日本企業独自ニーズにも応えながら、高度化する脅威環境にも対応していく考えです。また、日本企業向けには単なる製品提供だけではなく、それ以上に踏み込んだガバナンス支援なども行っていき、お客様ごとの個別要件にも対応していきます。

──サイバー攻撃後、日本市場向け施策には変化がありましたか?

ヒュースタッド氏:確かに最近多くのお客様から「インシデント後にどう対応していくのか?」という質問がありました。インシデントの後で、私たちは「Okta Secure Identity Commitment(OSIC)」という新しい取り組みを開始しました。「製品開発」「ベストプラクティス共有」「自社インフラ強化」など多岐わたり強化策を講じています。これらの施策展開も、日本市場独自のニーズを考慮しつつ適切な対応を進めています。こうした顧客へのコミットとパートナーとの連携によって、Oktaは世界規模で活動するだけでなく、日本市場でも着実に進化させていきたいと考えています。

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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