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能登へスキル人材届ける「プロボ能登」設立へ LINEヤフーら「3年で300名のプロボノ参加目指す」 

 LINEヤフーと能登官民連携復興センターは1月16日、石川県能登地域の復興支援に係る基本合意書を締結した。同日、取り組みに関する記者向け説明会を実施。

 説明会の冒頭、能登官民連携復興センター センター長 藤沢烈氏が今回の取り組みにおける背景を説明した。同センターは支援団体と被災者をつなぐ窓口として2024年10月に開所。以降、タイミーらと連携協定を締結して人材不足解消に努めたり、寄付金を復興支援に活用したりと、様々な取り組みを行ってきた。

 現在、能登の復興における最大の課題として藤沢氏が挙げたものが「人材の不足」だ。「復興に向けて現在多くのボランティアの方に支援いただき、それが力になっている。しかし次の段階の復興に進むためには、新たなことにチャレンジするためのスキルをもった人材が必要だ」とした。

一般社団法人能登官民連携復興センター センター長 藤沢烈氏

 そこで今回、同センターはLINEヤフーと新たな人材支援の取り組みに係る基本合意書を締結し、共同でプロボノ事務局を立ち上げるという。同事務局はLINEヤフーをはじめとする企業のスキルをもった人材と、被災地で人的支援を必要としている団体をマッチさせるハブとして機能するものだとした。

 LINEヤフー 執行役員 サステナビリティ推進統括本部長 西田修一氏は、プロボノの定義について「自分がもつ知識、経験、スキルを活用するボランティア。企業人による社会貢献の新たなスタイルといえる」と説明。同社では2024年2月にプロボノ関連のプロジェクトが始動し、様々なスキルをもった約70人の社員が参画しているという。そのうち7プロジェクトが能登半島支援を目的に現在も活動している。具体的な支援事例として、地域と協同して観光地域作りを行う旅行会社(DMC)からの要望で行った、支援者向けの宿泊施設の空き状況を確認するWebサイトの開発・リリースなどが挙げられた。

LINEヤフー株式会社 執行役員 サステナビリティ推進統括本部長 西田修一氏

 西田氏は「『復旧』から『復興』のフェーズに移るためには、様々なスキルをもったプロフェッショナル人材がボランティアとして関わることが非常に重要」と述べ、大きく以下3つの取り組みを行うとした。

  1. 石川県能登地域の復興に向けた新たな人材支援の取り組みに係る基本合意書を締結:LINEヤフーと能登官民連携復興センターで共同事務局「プロボ能登」を立ち上げ、人材不足解消に向けた取り組みを実施。プロボノが参加しやすいプラットフォームを形成し、企業のスキルをもった人材と、人的支援を必要としている地域団体とのマッチングを図る
  2. LINEヤフー社員による技術支援など、3年間でのべ300名のプロボノ参加を目指す:まずはLINEヤフーの社員を対象とし、ITスキルを中心に遠隔で能登を支援するほか、イベントの運営支援なども行う。第1弾として、能登の「白米千枚田」を守り受け継ぐための取り組みに対するプロボノ支援を予定
  3. 他企業からも参加を募り、人材不足解消に向けた官民一体となった人材支援を推進する:「プロボ能登」プラットフォームの構築を目指す。2025年4月から実施予定
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この記事の著者

竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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