4年間で5000億ドルという巨額投資
Stargate Projectでは、今後4年間で5000億ドルという巨額の投資を行い、そのうち1000億ドルは直ちに投資される予定だ。この投資は、単にAIインフラを整備するだけでなく、数十万もの米国における雇用創出や、米国の産業再活性化、さらには米国とその同盟国の国家安全保障強化にもつながる重要な基盤になると期待されている。
プロジェクトには、ソフトバンクグループ、OpenAIに加え、Oracle、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに拠点を置く人工知能(AI)に特化した投資会社のMGXが初期出資者として名を連ねている。ソフトバンクグループが財務管理を、OpenAIが運営を担い、孫正義氏が会長に就任。主要テクノロジーパートナーには、Arm、Microsoft、NVIDIA、Oracle、OpenAIが含まれており、これらの企業が緊密に連携し、コンピューティングシステムの構築と運営を行う。
AIインフラの構築は既にテキサス州で開始されており、全米の候補地でキャンパス建設の契約締結を進めている。Stargate Projectは、OpenAIとNVIDIAが2016年から築いてきた協力関係、そしてOpenAIとOracleの最近の提携に基づいたものだ。また、OpenAIとMicrosoftの既存のパートナーシップも活用。Azureの利用を拡大しながら、リーディングモデルのトレーニングや高品質な製品・サービスの提供を目指す。
OpenAIとOracleのパートナーシップは、2024年6月にOpenAIがMicrosoft Azure AIプラットフォームをOracle Cloud Infrastructure(OCI)に拡張することを発表している。元々MicrosoftはOpenAIの主要なクラウドプロバイダーであることは周知の事実だ。この提携は、MicrosoftがOCIを利用することを許可したとも捉えられる。これはOpenAIが必要とする計算能力を確保するための措置であり、これによりOpenAIはMicrosoft AzureとOCIの両方を活用できるようになっていた。これらの動きが、今回のStargate Projectにつながっていそうだ。