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ゼロからわかるメール運用虎の巻

インターネットの害悪とどう戦う?~誰もが知っておきたいSPAMメール対策の基礎知識

第6回

メールを管理する上で避けて通れないのがSPAMメールへの対策。一説によれば、企業に届くメールの9割以上が不要なメールだとも言われています。今回は、パフォーマンス低下やウィルス感染などをもたらす厄介者への対策の定石を教えます。

メールサーバとSPAM対策

 近年、SPAMメールの増加によって、メールシステムの運用が非常に煩雑になってきています。SPAMメールが、メールシステムに対して次のようないくつもの問題を引き起こすためです。

1. 不要なメールによる問題

  • 各ユーザのメールボックスの容量を浪費し、ダウンロードに時間がかかったり、本来必要なメールを見落とす原因になります。
  • メールシステム全体のディスク容量が不足しやすくなり、メールが不達などの問題の原因になります。

2. 宛先不明のメールによる問題

  • エラーメールの配信にメールシステムの多くのリソースが使われてしまいます。
  • 本来であれば優先して処理すべきメールの送受信が遅延することになります。

3. 送受信するメールの量が増えることによる問題

  • メールのログが肥大化しやすくなります。
  • メールシステム全体の多くのリソースを使うため、管理できるユーザ数が少なくなります。

 こうした問題は、メールシステムを構築してから場当たり的に対応することが困難です。また、SPAMメール対策の製品を単純に導入しただけでは、すべての問題に対処できるわけではありません。そのため、システム構築の段階から十分な対応を考えておく必要があります。

ウイルスとの関係

 メールに感染するウイルスの中には、活動範囲を広げるために他のコンピュータに向けてたくさんのメールを送信するものが存在します。このようなウイルスをマスメール型ウイルスと呼ぶ場合もあります。

 もし、組織のコンピュータが一つでもマスメール型のウイルスに感染すると、そのコンピュータは大量のメールを送信し始めます。このような状態になると、ウイルスチェックソフトウェアだけでは十分な対策とは言えません。ウイルスチェックソフトウェアの目的は感染を防ぐことだからです。

 つまり、ウィルスが他のコンピュータに二次感染することは防ぐことができますが、感染したコンピュータから送信される大量のメールによる被害は防ぐことができません。例えば、メールサーバの負荷が高くなったり、大量の不要なメールがたまってしまったりという影響から、メールシステムを守ることはできないのです。

 さらに、マスメール型のウイルスは、組織外にも大量のメールを送信する可能性があります。その結果、組織の信用が低下する可能性もありえます。マスメール型のウイルスに感染した場合の対策として、システムの内部からSPAMメールを送信しないような仕組みも導入する必要があります。

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不要メールの対策

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この記事の著者

デージーネット 恒川 裕康(デージーネット ツネカワ ヒロヤス)

株式会社デージーネット 代表取締役。「より安全で」、「より快適で」、「より楽しい」インターネットの実現をテーマとして、クラスタシステムを使った高信頼サーバの構築、SPAM対策やウイルスチェック対策のためのソフトウェアの開発、携帯サイト向けのシステム開発など、オープンソースソフトウェアを活用した事業を展開して...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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