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EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

「DX認定」を連続取得した船場が先陣切る“内装業ならでは”のBIM活用 経営に生かすデータ基盤構築法

1年で1万5000時間超の業務時間を削減、「働き方」と「考え方」の改革に挑む

 建設・内装業界では、職人の高齢化や労働時間規制の強化により、労働力不足が深刻な問題となっている。こうした課題に対応すべく、DXを先進的に推し進めているのが、2024年に開業した「KITTE大阪」やヤマハ発動機「リジェラボ」 の空間づくりを手がける大手内装業の船場だ。同社は、社内業務効率化に加え、BIM(Building Information Modeling)を活用した提案力強化と業務効率化に取り組んでおり、データ基盤を整備しながらDXを加速させている。こうした取り組みが評価され、内装業では初となるDX認定を2021年、2023年と連続で取得。同社のDX本部/DX部長 兼 BIM CONNECT本部デジタルコラボレーション室長を務める矢部元貴氏に、同社のDX戦略の取り組みと効果について聞いた。

3つの本部でデジタル変革を推進:DX本部の役割

 船場は、空間デザインを手がける企業として、「未来にやさしい空間を」というミッションのもと、持続可能なものづくりを追求している。2019年の社長交代を契機に「エシカル」と「デジタル」を重要な経営テーマとして掲げ、2022年の中期経営計画においても、この2つを戦略の中核に据えた。その中でも、デジタル活用の象徴的な取り組みがBIM(Building Information Modeling)の導入だ。BIMは設計や施工の効率化に加え、提案力の向上やデータ活用基盤の整備といった側面でも活用され、船場の事業高度化を支えている。

 そんな同社のデジタル戦略を牽引するのが、DX本部/DX部長 兼 BIM CONNECT本部デジタルコラボレーション室長の矢部元貴氏だ。2014年に船場へ入社し、ICT部門で社内インフラ整備やクラウドサービス導入、CRM構築などを担当。その後、ビジネス環境の変化によってDX推進の必要性が高まったことで2021年に設立されたDX本部の指揮を執ることとなった。

 船場のデジタル推進体制は、社内インフラを支えるICT部、デジタルトランスフォーメーションを推進するDX本部、そして2024年に新設されたBIM CONNECT本部で構成されている。なかでもDX本部は、社内業務の効率化や社外に向けたデジタル施策などを推進する役割を持ち、データ活用基盤の構築や業務の可視化などを進めている。BIM CONNECT本部は、BIMの活用促進を担い、デジタルデザインの推進に注力する部門として独立した部門だ。

 「2021年にDX本部が設立された当初は、ICT部、DX部、デジタルデザイン部の3部門体制でした。2024年からはデジタルデザイン部が独立し、BIM CONNECT本部が誕生しています。私はDX本部とBIM CONNECT本部を兼務し、全社的なバランスを見ながら推進しています」と矢部氏は説明する。

 DX本部の役割は、単なる社内業務の効率化にとどまらない。「DX部は社内だけではなく、社外向けのデジタル施策にも対応します。ICT部は主に社内向けですが、DX部はデジタルトランスフォーメーション全般に関わる相談を幅広く受け付けています」と矢部氏は話す。

株式会社船場 DX本部/DX部長 兼 BIM CONNECT本部 デジタルコラボレーション室長 矢部元貴氏

申請業務は100%電子化、1年で1万5000時間超の工数を削減

 船場のDX戦略の背景には、労働環境の変化にともなう2つの大きな課題がある。ひとつは2024年4月から適用された労働時間規制の強化だ。法律によって長時間労働が制限されることで、業務の進め方を根本から見直す必要に迫られた。もうひとつは、長年業界を支えてきた職人の大量離職。高齢化にともない、経験豊富な人材が次々と退職し、技術の継承や作業の標準化が急務となっている。矢部氏は「この2つの課題が同時に押し寄せているのが、現在の建設・内装業界の現状です」と指摘する。

 こうした状況を受け、船場では「働き方と考え方のトランスフォーム」を基本戦略として掲げる。働き方を変えることで、従業員の思考や業務の進め方そのものが変わると考え、デジタル活用による効率化を積極的に推進しているという。矢部氏は「まず働き方を変えていくと、その後に頭の使い方も変わるので、考え方も変わっていきます。時間が足りなくなった分を補えるような効率化を進めることが、そもそもやりたかったことです」と語る。

 具体的なDX施策として、まずは業務プロセスの見直しと改善(BPR)を行いつつ、業務の電子化を徹底的に進めた。「以前は紙ベースの業務が多く、申請や承認のために物理的な移動が必要でした。これをデジタル化することで、業務フローが大幅に効率化されたのです。特にコロナ禍の影響もあり、リモートワーク環境の整備が急務になったことが電子化を加速させるきっかけとなりました」と話す。現在、社内の申請業務はほぼ100%電子化され、スマートフォンでも承認手続きが完結できるようになっている。

 もう一つの重要な施策が、データの可視化による業務の最適化だ。従来、プロジェクトの進捗管理や工数の把握は、個々の担当者の経験やExcelファイルでの管理に依存していた。そこで、元々顧客情報管理の用途で利用していたSalesforceを基幹システムと連携させ、業務データを統合。各プロジェクトの状況がリアルタイムで把握できるような環境を整えた。矢部氏は「物件情報をもっと可視化していく必要があると考え、Salesforceの機能を拡張しました。これによって様々な部署のデータを一元管理でき、部門を横断したリアルタイムな状況把握ができる仕組みを整えています」と説明した。

Salesforce上で物件情報を可視化(提供:株式会社船場)
[クリックすると拡大します]

 こうした取り組みにより、2022年の同社のDXレポートでは「1年間で1万5000時間以上の作業時間を削減」できたと報告されている。営業担当者からは、「工数が予想以上にかかっている場合、案件を進めている途中でもそのアラートを即座に把握できるようになり、軌道修正がしやすくなった」との声も上がっているという。

 現在のDXの進捗について、矢部氏は「働き方という部分では、以前とは別の会社のように変わっています」とこれまでの取り組みの効果を話す。リモートワークやハイブリッドワークが定着し、業務の進め方が柔軟になっただけでなく、ツールや業務ルールも大幅に見直された。ただし、「考え方」の変革は依然として課題だという。矢部氏は「働き方はツールや規程を整えれば比較的変えやすいものではありますが、考え方は人の意識に関わる部分なので一朝一夕にはいきません。理解者を増やしながら進めていくことが重要だと考えています」と話す。

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競合他社と異なる“対外的な”BIM活用で差別化

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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