6人の“セキュジョ”が徹底討論!出産・育児と仕事の両立に立ち向かう女性たちが見たセキュリティの世界
前編:「管理職には絶対なりたくなかった」重い腰を持ち上げた経緯
セキュリティの世界で、出産・育児の負担とどう向き合うべきか
きゃっふぃー:私は元々セキュリティコンサルタントで、そこから通常通り想定しうる管理職などのキャリアを築いていこうと思っていました。しかし、出産後に子どもの発熱による早退などで稼働時間が出産前の3分の2に減り、これまでのように成果を出してキャリアアップすることが難しいと感じるようになったんです。
そのとき、短時間でどう成果を出すか、どう自己成長できるかと考え、自分の強みの心理学を生かそうと考えました。生産性を高め、社会的な意義や貢献も考え研究職を選び、ステップアップしてきたところです。今後の目標としては、博士号を取得するとともに、セキュリティ戦略や有識者会議に参画できるような人材になっていきたいです。
はせこ:私は20代後半まではとにかくインプットの時代で、来る日も来る日も論文を読み込んでいました。30代前半はアウトプットの時代で、論文執筆・投稿の経験を積みました。ありがたいことにカンファレンスの出席、8本の論文が採択されるなどの成果につながりました。ドクターを取得できて、研究者としてパーマネントポジションを得ることも達成できました。
これから30代後半を考えると、昨年出産したので大変な時期になるだろうと想像しています。時間を作るのが本当に難しいのが現状です。40〜50代になり、育児が落ち着いたら研究者として飛躍したいのと、学会を通じて若手研究者のためになるような活動をしていきたいと考えています。

のむ:私がサイバーセキュリティとの接点を持てたのは市役所勤務時代でした。情報システムに従事していた時にマルウェア「Emotet」が流行したんです。現場で「変なURLをクリックしてしまった」「添付ファイルに請求書と書いてあるからついクリックしてしまった」といった混乱があり、結果的にはヒヤリハットで済んだのですが、みんな何をしたらいいのかわからない状態でした。
そこで出会ったのがCYDERです。市役所で働いていると、どうしてもその他の業務がメインとなり、セキュリティや最新の攻撃手法や適切な対応を学ぶことは難しい。それなら私はCYDERの中の人となり、全国の同じような自治体のほか民間企業の方々を支えるような仕事ができるようになりたいと思い、現職に至ります。
幸いチームメンバーにも恵まれ、楽しくキャリアを重ねさせていただいています。今後の希望としては、今年度から万博向けサイバー防衛講習を担当させていただいた経験も活かし、これからも柔軟に、必要に応じて様々な規模の演習を提供できるようなエキスパートになりたいなと考えています。
(後編へ続く)
この記事は参考になりましたか?
- Security Online Press連載記事一覧
-
- 6人の“セキュジョ”が徹底討論!出産・育児と仕事の両立に立ち向かう女性たちが見たセキュリテ...
- 「中国はサイバー超大国となった」Google Threat Intelligenceのリー...
- 日本人は無意識に“守られている”と勘違い?英国の現状と比較し見えた、日本のセキュリティ意識...
- この記事の著者
-
加山 恵美(カヤマ エミ)
EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア