損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)とリコーは、損保ジャパンの保険業務に適したプライベートなマルチモーダル大規模言語モデル(LMM)の共同開発を開始した。
この共同開発は、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する、国内における生成AIの開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」において実施しているとのことだ。
リコーは、GENIACにおいて、日本企業が活用できるLMMの開発に取り組んでいるという。企業内に存在するテキスト、図、表組み、画像など様々な形式のデータで構成されている文書や帳票を効率的に活用することで、イノベーション創出の後押しを目指しているとのことだ。
また、損保ジャパンは、保険業務に関する規定、マニュアル、Q&Aデータなどを学習させ、社内外からの照会内容に対して最適な回答案を自動生成するシステム「おしそんLLM」をトライアル運用中。対象となる資料の中には、複雑な図表が多数含まれるとしている。日本の文書や帳票は、独自のフォーマットを持つものも多く、既存のLLMでは精度の高い回答が得られないケースもあり、データを根拠とする回答生成の精度が課題になっているという。
共同開発について
両社は、損保ジャパンが保有する保険の引受規定が記載された図表などを含むマニュアルを学習させた、損保ジャパンの保険業務に適したプライベートLMMを共同開発するとしている。実際のデータとユースケースをベースにすることで、照会対応業務の時間削減を目指すとのことだ。共同でモデルを開発した後、性能検証を実施する予定で、今後は対象とするデータ・ユースケースを広げつつ、モデルを発展させていくことを検討中だとしている。
【関連記事】
・リコー、コラボレーションボードをMicrosoft 365と連携できる新サービス発表
・リコー、AIエージェントなど約20種のDXソリューションを体感できる施設を新設 1月15日オープンへ
・損保ジャパン、GincoとWeb3の社会実装や事業支援でパートナーシップを締結