2025年5月30日、日本電気(以下、NEC)は2025年度における同社のDX事業戦略に関する記者会見を開催した。会見では主に、同社が昨年5月に発表した価値創造モデル「BlueStellar」における2025年度の方針が発表された。

(左から)日本電気株式会社 執行役 Corporate SEVP 兼 CDO 吉崎敏文氏
同社 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 森田隆之氏
会見冒頭、 取締役 代表執行役社長 兼 CEOの森田隆之氏は「昨今の激しい国際情勢の変化にともない、企業は変化を先取りし変革を継続させる必要がある」と語る。NECでは現在AIとセキュリティに注力しており、そこでの知見をBlueStellarのシナリオにも追加したとのことだ。
次に、同社 執行役 Corporate SEVP 兼 CDOの吉崎敏文氏が登壇し、具体的な方針を説明した。2025年は、以下3つの領域に注力していくとのことだ。
1. シナリオの拡充
業務シナリオおよび対応業種シナリオを拡充していく。それに際して、IFSとのパートナーシップを拡大し、両社の技術・知見を融合した新しいクラウドサービスを提供予定だという。
また、今後は海外に拠点を置くグループ会社のアセットを活用し、シナリオのアプローチをグローバルに展開していく方針だ。たとえば北米では、NECが買収したNetcrackerにおける通信事業の知見を生かしアプローチを展開するほか、ABeamと共同でコンサルティング領域の展開を拡大していく。欧州では、Avaloqの知見を生かし金融業でのシナリオを拡充。それ以外にも、KMDやNEC Software Solutionsのアセットを生かして行政分野のアプローチを展開していくとのことだ。アジア領域においては、NEC Corporation Indiaをメインに交通・流通領域のデリバリーを集約する取り組みを行うとしている。
「日本でシナリオ化したものを一方的に海外に展開するだけでなく、海外と日本の技術を双方向に循環させることで、シナリオ全体の価値向上および日本企業のビジネス展開を加速させます」(吉崎氏)
2. シナリオの高度化
エージェント型AIをオファリングに組み込み、BlueStellarのシナリオで展開予定。下図に表示されている15業務すべてに対して、今年中に製品化したものを発表予定だという。

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提供:NEC
3. コア技術の強化
従来、NECにおける生成AIをはじめとしたAI活用サービスは“アクションの変革”を起こすものであった。2025年は、個社データや特化型エージェントを用いて“プロセスの変革”を目指すという。2026年以降には複数のエージェントを連携させることで“ビジネスの変革”を促す技術を開発していく方針とのことだ。

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