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変化する情報活用ニーズ、進化しないデータウェアハウス

これからの情報系システムが目指す方向性は「リアルタイム」

第5回

 経営がスピードを求め、必要とする情報の質も大きく変わってきています。この変化は、この2~3年で特に顕著になっています。ここで、この変化を整理してみましょう。大きく以下の4種類に分類することができます。

情報鮮度の改善、そして業務プロセスとの融合

 従来、情報システムは、業務の内容を要約し、月に一度、週に一度という比較的長い間隔で、数日前の情報を決まった形式でユーザに情報を提供してきました。監督官庁への報告など、単にレポートを提出することが目的の業務であればこのままでも問題は無いのですが、提供された情報を意思決定に使おうとする場合、これでは情報が古すぎる、という課題が出てきます。極端に言えば、今起こっていることを知り、さらに過去の傾向と比較して、今からの活動内容を判断していくことが求められます。そして、判断の結果を実行するために、これを自動化するか、あるいは手作業で行うかに係わらず、業務系システムに適用していく必要があります。

 製造業の需給調整のプロセスを例に考えていきましょう。

 ここで製造業を例に挙げたのには二つの理由があります。一つはコスト意識です。新しい変化への対応を、大きな予算で巨大なシステムを構築して実施するという選択肢があります。しかし、製造業の方々は一つの製品単価を一円でも下げたいというプレッシャーの中、情報システム投資にお悩みも深いであろうということ。もう一つは、行政の焦点が消費者保護に大きく舵を切り始めたことによる環境変化に直面している業種であり、新しい悩みを抱えているということです。

 製造業にとって過剰在庫や欠品を無くすことは永遠のテーマであり、これを実現するためには、タイムリーかつ正確な需給調整が求められます。需給調整を行うためのキーとなる情報は「在庫と需要」です。需要予測については、営業部門から情報入手するわけですが、この頻度を極端に高めることは業務負荷を考えるとあまり現実的ではありません。ですので、急な大量オーダーやキャンセルに関する情報共有が重要になります。

 これらの需要予測に対し、在庫状況を当てはめタイムリーな生産調整を行うことになります。在庫状況は、業務系システムの中でリアルタイムに更新されています。しかし、需給調整を行う担当者がこの情報を見ることができる頻度やタイミングにはかなりの制限があり、判断の遅れが過剰在庫や欠品を招いている状況があるようです。もし、1時間に一度、需給調整ができれば状況を大きく変えることができる、とお考えの担当者の方々は多いのではないでしょうか。

 なぜ、この様なことが実現できないのでしょうか。それは、頻度の高いデータアクセスや増加するデータ量が業務系システムを圧迫するため必要な仕組が業務系システム上で構築できなかったり、あるいは、必要なデータを他のデータベース(データウェアハウス)に切り出すにしても、データロードに時間が掛かったり、頻繁なデータロードが逆に業務系システムに負担をかけたり、さらに、需要情報と組み合わせた分析に時間がかかったりと、これも満足のいく結果が出せないことによるようです。

 このような例は製造業に係わらず、多くの業種の方々の業務の中に存在しています。だからこそ、今、このような業務のリアルタイム性を向上し業務を変えていくことの意味と効果は大きいと言えます。

図1 リアルタイム在庫分析
リアルタイム在庫分析

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この記事の著者

サイベース 冨樫 明(サイベース トガシ アキラ)

サイベース株式会社 マーケティング本部 本部長。日系大手コンピュータメーカーで21年間海外ビジネスに携わった後、ベリタスソフトウェア、シマンテックでマーケティングに従事し、2006年より現職。著書に「内部統制今知りたい50の疑問―米国での実践経験から」がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/220 2007/11/08 13:00

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